ハラが減った。
・・・ので、普段食べないものを食べてみます。
1.虎肉
味酸作土気、性熱。
味は酸にして土気を作し、性熱。
味は酸っぱく、土性のエネルギーを持ち、本質的にホットである。
ところで、正月には虎を食べてはいけない。ひとの精神を弱らせるからである。虎の肉を熱くして食べると歯が悪くなる。
虎の中には、
多有薬箭傷者、食者慎之。
多く薬箭の傷つくるものあり、食者これを慎め。
毒矢でやられたものが時にあるので、食べる者はそれを食べないように気をつけてください。
2.豹肉
味酸、性微温。
味は酸にして性微温なり。
味は酸っぱく、本質的にマイルド・ウォームである。
ところで、正月に豹を食べてはいけない。ひとの精神を弱らせるだけでなく、寿命を短くするからである。
豹の肉はひとの心を粗暴にさせる。食べるとすぐその変化に気がつくが、しばらくして消化するともとに戻る。長く食べていると効かなくなる。
また、
豹脂合生髪薬。朝塗暮生。
豹脂合して髪薬を生ず。朝たに塗れば暮れに生ず。
豹の脂肪を混ぜて発毛剤を作る。朝塗れば夕べには毛が生える。
3.象肉
味甘淡、性平。
味は甘くして淡く。性は平なり。
味は甘みがあって淡白である。本質的にフラットである。
象をたくさん食らうとひとの体が重くなるので注意が必要である。象の肉は百獣の肉をあわせたものであり、体のあちこちの部位で味が異なるが、
惟鼻是其本肉。
鼻のみこれその本肉なり。
鼻の肉だけが本来的な象の肉なのである。
4.豺(やまいぬ)肉
味酸性熱。有毒。
味酸にして性熱。毒あり。
味は酸っぱく、本質的にホット。毒がある。
これを食べるとひとの精神を損なうのである。
また、
消人脂食、令人痩。
ひとの脂食を消し、ひとをして痩せしむ。
ひとの食べる脂肪分を溶かしてしまうので、そのひとは痩せてしまう。
というので、現代においては役に立つ肉であるといえよう。
5.狼肉
味酸性熱。
味酸にして性熱。
味は酸っぱくて本質的にホット。
いにしえより
食狼去腸。
狼を食らうには腸を去れ。
オオカミを食べるときは腸を取り去ってからにせよ。
といわれる。腸はよくないのである。
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元・賈銘「飲食須知」巻八より。
まだいくらでもあるのですが、ハラが減った上に眠くなってきたのでもう止めておきます。明日は所沢に行かねばならんし。