平成22年3月19日(金)  目次へ  前回に戻る

ハラが減った。

・・・ので、普段食べないものを食べてみます。

1.虎肉

味酸作土気、性熱。

味は酸にして土気を作し、性熱。

味は酸っぱく、土性のエネルギーを持ち、本質的にホットである。

ところで、正月には虎を食べてはいけない。ひとの精神を弱らせるからである。虎の肉を熱くして食べると歯が悪くなる。

虎の中には、

多有薬箭傷者、食者慎之。

多く薬箭の傷つくるものあり、食者これを慎め。

毒矢でやられたものが時にあるので、食べる者はそれを食べないように気をつけてください。

2.豹肉

味酸、性微温。

味は酸にして性微温なり。

味は酸っぱく、本質的にマイルド・ウォームである。

ところで、正月に豹を食べてはいけない。ひとの精神を弱らせるだけでなく、寿命を短くするからである。

豹の肉はひとの心を粗暴にさせる。食べるとすぐその変化に気がつくが、しばらくして消化するともとに戻る。長く食べていると効かなくなる。

また、

豹脂合生髪薬。朝塗暮生。

豹脂合して髪薬を生ず。朝たに塗れば暮れに生ず。

豹の脂肪を混ぜて発毛剤を作る。朝塗れば夕べには毛が生える。

3.象肉

味甘淡、性平。

味は甘くして淡く。性は平なり。

味は甘みがあって淡白である。本質的にフラットである。

象をたくさん食らうとひとの体が重くなるので注意が必要である。象の肉は百獣の肉をあわせたものであり、体のあちこちの部位で味が異なるが、

惟鼻是其本肉。

鼻のみこれその本肉なり。

鼻の肉だけが本来的な象の肉なのである。

4.豺(やまいぬ)肉

味酸性熱。有毒。

味酸にして性熱。毒あり。

味は酸っぱく、本質的にホット。毒がある。

これを食べるとひとの精神を損なうのである。

また、

消人脂食、令人痩。

ひとの脂食を消し、ひとをして痩せしむ。

ひとの食べる脂肪分を溶かしてしまうので、そのひとは痩せてしまう。

というので、現代においては役に立つ肉であるといえよう。

5.狼肉

味酸性熱。

味酸にして性熱。

味は酸っぱくて本質的にホット。

いにしえより

食狼去腸。

狼を食らうには腸を去れ。

オオカミを食べるときは腸を取り去ってからにせよ。

といわれる。腸はよくないのである。

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元・賈銘「飲食須知」巻八より。

まだいくらでもあるのですが、ハラが減った上に眠くなってきたのでもう止めておきます。明日は所沢に行かねばならんし。

 

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