ブタであってわしではない。
今日はたくさんうそつきたかったのですが、表の仕事からやっと帰ってきた。もう○時です。明日も仕事なので、今日はもううそをつくのは止めておきます。
・・・三国のとき、呉にケ喜という部将があった。
ケ喜は、あるとき、ブタを殺して神を祀り、残った血のしたたるブタ肉を天神に捧げるべく屋根の上に懸けておいた。
しばらくすると家人が恐怖に引き攣った顔でケ喜を呼びにきた。
表に出て、指差されるままに屋根の上を見上げると、
忽見一人頭、往食肉。
忽ち見る、一人の頭の往きて肉を食らうを。
なんと、ニンゲンの生首が一つ、そこに寄って行って肉を食おうとするのが目に飛び込んできた。
喜引弓射、中之。
喜は弓を引いて射、これに中る。
ケ喜は弓を持ってこさせると、引き絞って矢を放った。矢は過たず、その生首に中ったのだった。
すると、生首は
咋咋作声。遶屋三日。
咋咋(さくさく)として声を作す。屋を遶ること三日。
きゅうきゅうと音を立て、そのまま、三日間、家の回りを回り続けていた。
三日後にはどこかに見えなくなってしまいました。
さて、
後人白喜謀叛、合門被誅。
後、ひと、喜謀叛せんと白(もう)し、合門誅せらる。
その後、あるひとがケ喜に謀叛の動きがあると言上したため、ケ喜の一門は全員誅殺された。
そうである。
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晋書・五行志より(「捜神記」巻九)。
ああ、おそろしい。
・・・と肝冷斎がおそろしがっているのは、
@ 一門誅殺の厳罰
A 生首を見たら弓を射るものの考え方
B 生首が三日飛び回る光景
C ブタの肉で神を祀ること
のいずれでしょうか。