令和2年5月27日(水)  目次へ  前回に戻る

日蔭や地中でゴロゴロして暮らす人生の豊かさよ。特に地中は冬も暖かいオールマイティーなのでモグ。

ムシムシ・ウツウツは今日も明日も続く・・・。

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暑くなってくると日蔭がいいなあ。

道上紅塵、江中白浪、饒他南面百城。

道上の紅塵、江中の白浪、他(か)の百城に南面するよりも饒(ゆたか)なり。

道の上に紅の埃が立つような繁華な街、川の中に白い波が立つのを見ている水のほとり。(そんなところで一般人として暮らすのは、)誰かさんが百の城を支配して王者となっているのよりも、ずっと豊かな生活であろう。

北に背中を向けて「南に面を向ける」のは、君主のありさまですから、「南面する」で「君主として君臨する」という意味になります。

それよりも庶民として暮らす方がシアワセなんだそうです。

花間明月、松下涼風、輸我北窗一枕。

花間の明月、松下の涼風、我が北窗の一枕に輸(ま)くるなり。

「輸」(シュ)は「運ぶ」のほか、「負ける」「破れる」の意味もあります。

花の間からのぞく明月を見上げたり、松の木陰で涼しい風に吹かれていたり。(それはそれですばらしい境遇だが、夏の日に)わしが北向きの日蔭になった風通しのよい窓の下で、昼寝しているのには優るまい。

世俗社会から離れてよかったなあ。

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「酔古堂剣掃」巻八「奇」より。ほんとうのわしはこんなところでウツウツ・ムシムシせず、もうあそこで昼寝しているはずなんじゃよ。ここにいるのはニセモノじゃから、どうでもいいんじゃ。

 

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