令和2年3月16日(月)  目次へ  前回に戻る

「我々の世界では不要なモノでカッパ」「それよりシリコダマ欲しいでカッパ」「シリコダマは実利より名誉でカッパ」

アメリカではサーキットブレイカーが発動してますよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

問:次の説明に該当する「薬」の名前を答えよ。

――――この薬は、

味甘、大熱、有毒。偏能駐顔、采沢流潤、善療飢口困戹之患、立験。

味甘く、大熱にして、毒有り。駐顔に偏能し、采沢流潤して、善く飢口、困戹(こんやく)の患を療して立ちどころに験あり。

味は甘い。熱量が多い。毒がある。顔色を保つのにたいへん効き目があり、取得した場所からどんどん流出して、栄養失調や困苦一般の病いに善く効き、すぐに効き目が現れる。

社会的な効能もあり、

能利邦国、汚賢達、畏清廉。

よく邦国に利し、賢達を汚し、清廉を畏る。

国家に利益を与え、賢者や通人を汚しことができるが、一方で、潔癖な人から離れようとする傾向がある。

特に効き目があるのは貧乏人で、

貧者服之、以均平為良、如不均平則冷熱相激、令人霍乱。

貧者これを服するに、均平を以てすれば良と為すも、もし均平せざれば冷熱相激して、人をして霍乱せしむ。

貧乏人がこの薬を服用するときは、毎回平均した量を服用すると良い効能があるが、もし毎回の量が違うと、心が冷えたり熱くなったりの差が激しくなり、精神錯乱に追い込まれることがあるので注意が必要。

薬の採取については、

其薬采無時、采之非理、則傷神。

その薬、采(と)るに時無けれども、これを采るに理あらざれば、すなわち神を傷(いた)む。

その薬は、採取できる季節が限られていない(いつでもOK)が、採取するときに正しい方法を使わないと、心が傷つくことがある。

入手・服用の方法が正しく、

此既流行、能以神霊通鬼気。

これ既に流行すれば、よく神霊を以て鬼気に通ず。

この薬がうまく流れているときは、精神が世界の精霊たちと通じ合っているかのように何事もうまくいく。

しかし、うまく流れなくなって、

如積而不散、則有水火盗賊之災生、如散而不積、則有飢寒困戹之患至。

もし積みて散ぜすば、水火盗賊の災い生ずる有り、もし散じて積まざれば、飢寒困戹の患至る有り。

この薬が滞留して分散しなくなると、水害や火災や盗賊といった災害がどこかから忍び寄り、この薬が分散したままで滞留しなくなると、栄養失調や悪寒など困苦一般の病にかかることになる。

この薬を使うときは、

一積一散謂之道、不以為珍謂之徳、取与合宜謂之義、無非分謂之礼、博施済衆謂之仁。出不失期謂之信、入不妨己謂之智。

一積一散、これを道といい、以て珍と為さざるを徳といい、取・与の宜に合うを義といい、分にあらざる無きを礼といい、博く施し衆を済(すく)うを仁といい、出でて期を失わざるを信といい、入りて己を妨げざるを智というなり。

滞留と分散を繰り返すのがその基本的な在り方であり、それをありがたがらない人を徳があるといい、取ると与えるが適宜であるのを義があるといい、分相応に受け取るのを礼に従っているといい、ひろく配って人々を救うのを仁があるといい、出て行っても定まった期間で戻って来るのを信用ができるといい、入ってきても自分を失わないのを知恵があるという。

以此七術精練、方可久而服之、令人長寿。若服之非理、則弱志傷神。切須忌之。

この七術を以て精練せば、まさに久しく服すべく、人をして長寿ならしめん。もしこれを服するに理あらざれば、志を弱め神を傷む。切にこれを忌むべし。

以上の道・徳・義・礼・仁・信・智の七つの方法で調剤すれば、長い期間服用し続けることができて、あなたを長生きさせてくれるだろう。しかし、服用方法が正しくないと、意志を弱め精神を傷つけることになる。絶対にしてはなりませんぞ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日もちらりと登場した清・随園先生・袁牧「随園随筆」巻上より。答えはもちろん「銭」です。「金」「財」「富」でもだいたい正解。間違ってても、科挙試験には出ないから大丈夫です。

 

次へ