令和2年2月11日(火)  目次へ  前回に戻る

「この寒いのに寝ているようなやつは突っつくでぴよる」「ぴよす」(寝ているヒツジを突っついて起こそうとするひよこデビルの絵なんですが、図の挿入ができなくなってしまいました。)

建国記念の日ですが、今日も寒いです。

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もう数日で暖かくなって、

黄鳥何関関。 黄鳥なんぞ関関(かんかん)たる。

麗日正遅遅。 麗日正に遅遅(ちち)たり。

 うぐいすはなんとも閑かに鳴いている。

 うるわしい日差しはほんとにゆっくりと伸びて来る。(日が長くなってきたんです)

のようになってくるはずなんです。「関関」は「詩経」の最初に収録されている「関雎」の詩の劈頭の

関関雎鳩、 関関たる雎鳩(しょきゅう)は、

在河之州。 河の州に在り。

 「かんかん」と鳴くミサゴは、

 川の中州にいるのじゃなあ。

とあるのを踏まえています。@「かんかん」(カアカア)と擬音語ととらえ、この詩は佳人を求める男性の詩なので、つれあいを探すミサゴの声から歌い出しているのだ、という説と、A「閑閑」と同じで、やわらぎのどかなさま、この詩は男女の間の睦まじいのをうたう詩なので、オスとメスがのどかに鳴き交わしていることから歌い出しているのだ、という説とありますが、ここではウグイスが「かあかあ」とは鳴きませんから、「閑閑」の意味で使っているのでしょう。

そうしたら、

端坐高台上、 高台の上に端坐するも、

春心自不放。 春心おのずから放たれず。

 どこかの高楼の上にきちんと坐っていたとしても、

春の心はどうしても放たれない。

鬱積してきます。

ようし、

探彼嚢与錫、 彼(か)の嚢と錫を探りて、

騰騰随道之。 騰騰(とうとう)として道に随いて之(ゆ)かん。

 いつもの頭陀袋と杖を取り出して、

 うきうきとこの道をたどって出かけて行こう。

「騰騰」は「のんびりするさま」という解もあるようですが、ここはやはり元気に奮い立っていると解したいと思います。春先ですからね。

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「良寛詩集」より。どこへ行こうかなあ。彼岸? 考えておきます。

 

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