令和元年12月4日(水)  目次へ  前回に戻る

この季節の雪だるまは雪だるま式に巨大化するので、急に重くなって出られなくなってしまったりする。まるで絶望感のように・・・。

今日は異業種のみなさんから楽しい話を聞いてきました。

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今日は楽しい話ばかりでしたが、時には不愉快な話をするやつもいる。

客難肝冷斎、 客、肝冷斎(※)を難ず、

君詩無道理。 君が詩には道理無し、と。

ひとが来て、このわし肝冷斎に文句を言いおったんじゃ。

「おまえさんの詩は、あれは何じゃ? まったく理解できんぞ」と。

「なんじゃと!」

わしは反論しました。

吾観乎古人  吾、古人を観るに、

貧賤不為恥。 貧賤を恥と為さざりき。

 わしがいにしえの人たちについて研究したところでは、

 彼らは貧乏とか身分が賤しいとかいうことを恥ずかしいとは思っていなかったぞ。

「わしは貧乏や身分が低いことは別にどうでもいいので、自由であることを重んじる思想なのである。わしの詩はその思想の発露であるから、そのことを理解していれば、わしの詩が理解できないということはないであろう」

すると、やつは突然、

「わははは」

応之笑此言、 これに応じてこの言を笑う、

談何疎闊矣。 談、何ぞ疎闊なるか、と。

 わしの反論に対して、そのコトバに大笑いしはじめたのだ。そして言うに、

 「(これはオモシロいことを聞いたわい。)おまえさんの言っていることは、なんとも粗略で迂闊じゃのう」と。

「むむむ・・・」

わしが反論できぬうちに、やつは続けて言った、

願君似今日、 願わくば君も今日の似(ごと)く、

銭是急事爾。 銭これ急事なるのみとせよ。

 「お願いじゃから、おまえさんも現代の考えに合わせて、

  おカネが第一だというふうに考えてくれんものかのう」

え? 現代はそうなんですか。

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「寒山集」より。すみません、訂正です。第一行の「肝冷斎」は「寒山子」(かんざんさん)の間違いでした。謹んでお詫び申し上げます。

以上とは何も関係ないのですが、今日はアフガニスタンで長く支援活動を続けて来られた中村哲さんが亡くなったというので驚きました。中村さんと一緒に仕事した人を知っていた、という程度の関係しかないのですが、それに、銃撃を受けてケガをしてその後亡くなった、という以上に事情もよくわからないのですが、とりあえず残念です。ご苦労さまでした。

 

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