令和元年9月18日(水)  目次へ  前回に戻る

秋だ。滅亡の季節である。当然やる気は出ない。

やる気が無くなってきました。いや、あった時があったのか、と問われるとないような気がしますので、やる気が無くなってきてはいない。

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こんな日は、識見でも伸ばしてみるか。

経一番挫折、長一番識見。

一番の挫折を経れば、一番の識見を長ず。

一回挫折してみれば、一回分の識見が伸びる。

賢くなるんです。

容一番横逆、増一番器度。

一番の横逆を容るれば、一番の器度を増す。

一回横暴な行為を容認すれば、一回分の器量が増える。

大きなニンゲンになれるというんです。

省一分経営、多一分道義。

一分の経営を省けば、一分の道義を多くす。

少しでも利益を上げるための営みを止めれば、その分だけ正しい行動が多くなる。

学一分退譲、討一分便宜。

一分の退譲を学べば、一分の便宜に討(いた)る。

少しでも人に譲ることを覚えれば、その分だけうまくいくことが増える。

去一分奢侈、少一分罪過。

一分の奢侈を去れば、一分の罪過を少なくす。

少しでもぜいたくするのを止めれば、その分だけ罪を作らなくてすむ。

加一分体貼、知一分物情。

一分の体貼を加うれば、一分の物情を知る。

少しでも自分で体験することを増やせば、その分だけ世間の人のこころがわかる。

んだそうです。

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清・金纓「格言聯璧」持躬類より。ええコトバやなあ。どれとは言いませんが、肝冷斎思想と近いと思われる格言もあります。ただし、肝冷斎思想は、挫折したくないし横暴受けたくないし経営したくないし便宜なくてもいいし奢侈したい体験したくないし、などの考え方なので、実際はかなり違っていますが。

 

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