カードゲーム「隋唐演義」やっつけで完成! ←のひとは開皇十八年(598)生まれだから↓のひとたちの一世代あとぐらいになります。
からだかゆい。解脱したいなあ。
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隋の開皇十二年(592)のことだそうですが、太湖のほとりに隠れ住んでいた鑑智僧粲禅師のもとに若いのがやってきました。
願和尚慈悲、乞与解脱法門。
願わくは和尚の慈悲にて、解脱法門を与えられんことを乞う。
「お願いでちゅ、和尚様、お慈悲でちゅから、解脱の方法をお授けくだちゃい、お願い、お願いーー!」
禅師はおっしゃった。
誰縛爾。
誰か爾を縛れるか。
「いったい誰がおまえを縛り付けているのじゃな?
わしにはおまえさんしか見えんぞ」
若いのは言った、
「それはそうでちゅよ、
無人縛。
人の縛る無し。
ニンゲンに縛られているのではないんでちゅ、因果とかそんなのに・・・」
禅師、
「縛られてもいないのに、
何更求解脱乎。
何ぞさらに解脱を求むるか。
どこから脱け出そうとするのじゃ?
おまえさんはおまえさん以外の何ものからも、自由じゃぞ」
「だからそうではなくて・・・、いや、あれ? ・・・そうか!」
於言下大悟。
言下において大悟せり。
若いのは、その言葉のもとに大いなる悟りを得た。
「なーるほど、こういうことだったんでちゅなあ」
このひとが鑑智の嗣法となった大医道信禅師であります。
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「五燈会元」巻一より(「伝光録」第三十一章本則)。ちなみに鑑智禅師はチャイナに禅を伝えたというダルマ大師の弟子・慧可の弟子、ということになっています。「いずれのところの人かを知らず」とされていますので、ほとんど伝説のひとでしょう。その後継の大医禅師は四代目ということになりますが、このときまだ数えで十四歳だったそうです。わしらも負けてはおれんぞ。はやく言下に悟って自由になろう。