目的は不明だが、もぐのジャマをするぶたとの。そんなことをしても何の意味があるのか、と説得しようとしても効き目は無いであろう。
早く週末が来ないかと願っているのになかなか来ない。もしかしたら気づかないうちにもう週末は通り過ぎてしまっているのカモ・・・。
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戦国の時代のことでございますが、斉の説客・張丑は、燕の恵王(在位前278〜前272)のもとで客卿として遇されていた・・・のですが、いったい何があったのか、
「怪しからん!」
燕王欲殺之。
燕王、これを殺さんと欲す。
燕王は張丑を殺そうとした。
「うひゃあ」
張丑は逃亡した。
走且出境、境吏得丑。
走りてまさに境を出でんとして、境吏、丑を得たり。
逃亡して、なんとか国境まで来たところで、国境を管理する役人によって張丑は捕らえられてしまった。
そのとき、張丑は、国境管理官に対して言いました。
「おまえさんは燕王がわしを殺そうとした理由を御存じかな?」
「あなたが我が国に害をなしたからであろう」
「表向きはそうなっているのかも知れんが、実は、
燕王所爲将殺我、人有言我有宝珠也。王欲得之、今我已亡之矣。而燕王不我信。
燕王の我を殺さんと為すところは、人の我の宝珠を有すと言う有ればなり。王これを得んと欲するも、今我すでにこれを亡えり。而して燕王、我を信とせず。
燕王がわしを殺そうとした理由は、あるひとが、わしがすばらしい珠を持っていると王に告げたためなのじゃ。王はその珠が欲しくてわしに求めたのじゃが、わしは実はその玉をもう持ってはおらん。ところが王はわしの言うことを信用しないのじゃ。
さて、
今、子且致我。我且言子之奪我珠而呑之。
今、子はまさに我を致さんとす。我はまさに、子の我が珠を奪いてこれを呑む、と言わん。
現在、おまえさんはわしを捕らえて王のところに送致しようとしている。わしは王のところに送られたら、おまえさんがわしの珠を奪って呑み込んでしまった、と言ってみようかと思っているのじゃ。
そうすると、
燕王必当殺子、刳子腹、反子之腸矣。
燕王必ずまさに子を殺し、子の腹を刳り、子の腸を反すべし。
燕王は必ずおまえさんを殺して、おまえさんのはらを斬り裂いて、おまえさんの腸を引きずり出して裏返すにすることであろう。
夫欲得之君、不可説以利。吾要且死、子腸亦寸絶。
夫(それ)、得るを欲するの君は利を以て説くべからず。吾は要するにまさに死せんとするも、子の腸もまた寸絶すべし。
ああ! 欲望に駆られた君主には、損得を示して説明しても効き目が無い。わしはもう必ず死ぬわけだが、おまえさんの腸もずたずたに切り刻まれるのだなあ」
「むむむ」
境吏恐而赦之。
境吏恐れてこれを赦す。
国境警備官は不安になり、張丑を釈放した。
そして、張丑は気づかないうちに既に国境を通り過ぎてしまっていた、と報告したのであった。
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「戦国策」燕策下より。このひとは逃げきれませんでしたが、張丑は逃げ切ったんですなあ。
本日やっと「戦国策」を読み了えました。ああオモシロかった。オモシロかったので記念にこのお話をご紹介しました。それにしても、
得るを欲するの君は利を以て説くべからず。
欲望に駆られた君主には、損得を示して説明しても効き目が無い。
とは、まことに至言でございますなあ。