平成30年9月29日(土)  目次へ  前回に戻る

「これはなんでぴょん」地中から出てきたところをぶたウサギたちに見つかり「もぐたたき」をされるモグ。厳しい生存競争の様子が見られる。

今日は国立科学博物館を見学してきたので、自然科学に興味を持ったぞ。

そこで、自然観察に基づく報告を読んでみます。

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嘗見一蝦蟇踞地、若有所伺。

かつて一蝦蟇の地に踞(うずく)まり、伺うところ有るがごときを見る。

あるとき、一匹のガマガエルが地面にうずくまって、何かを狙っているらしいのを観察したことがある。

何を狙っているのか、と思ってガマの視線を追ってみると・・・

一蜈蚣長八寸許、相離丈余。

一蜈蚣の長さ八寸ばかりなる、相離るること丈余なり。

ムカデが一匹いました。長さ20〜30センチのでかいやつで、ガマから3メートルぐらい離れたところにいた。

ガマは突然、

張其口。

その口を張る。

口をぱっくりと開いた。

すると、

蜈蚣徐行蜿蜒入、須臾、自蝦蟇後竅出。

蜈蚣、徐行して蜿蜒と入り、須臾にして蝦蟇の後竅より出づ。

ムカデはゆっくり、くねくねしながらガマの方に向かって来て、その開けた口の中に入って行った―――。そして、しばらくすると、ガマのお尻の穴かあにょろにょろと出てきたのである。

その姿、

已縮小僅三寸許。

すでに縮小して僅か三寸ばかりなり。

いつの間にか縮んで、わずかに10センチぐらいのものになってしまっていた。

それから、

蟇復転身張口向之、蜈蚣仍前走入。

蟇、また転身して口を張りてこれに向かうに、蜈蚣前に仍(よ)りて走り入る。

ガマはまた体の向きを変えると、ムカデの方に向かって口を開けた。すると、ムカデは先ほど同様、その口の中に入りこんで行ったのである。

むむむ・・・・。

としばらく待ちましたが、

久之不復出、已果腹矣。

これを久しくしてまた出でず、すでに果たして腹せるならん。

しばらくしてももう出てこない。おそらく、もう腹の中で溶かされてしまったのであろう。

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清・湯用中「翼駉稗編」巻六。すばらしい。さらにあと二例、ドウブツ同士の生存競争を観察した記録が記載されていますが、これは明日のお楽しみ。

 

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