210日です。台風も来るでしょう。明日の日本列島にはヒヨコが勢力を張り、南からは二匹のぶたが近づいてくるでぶー。
災害を予測して未来に備えなければいけません。
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ところで本日、町の市場に古書の店を出していた謎の老人から
「これ、おまえさん、これは要らんかな」
と声をかけらて、
「ふん、こんなみすぼらしい露店に大した本があるもんか」
と思いながら、勧められた本を見ましたら、なんと、アレだ。
「どうじゃ、本来なら〇〇〇〇円ぐらいのところ、おまえさんのみすぼらしさに免じて五十円ぐらいにしておいてやるぞ」
と言われまして五十円を出して「開元占経」を入手しました。
唐の瞿曇悉達(くどんしった)が当時の天文占の占辞を集大成したもので、これ一冊あれば、観測された日・月・星や大地の状態、気象の変化などをもとにして、天下国家の将来が手に取るようにわかる(はず)のすごい本である。
この書、唐代にまとめられた後、あまりに貴重なので写本でしか伝わらないうちに失われてしまい、まぼろしの名著になっていたのですが、明の萬暦四十四年(1616)安徽の程明善が仏像の修繕をさせていたところ、その胎内から巻物が出てきた。
「これはなんじゃ?」
と読んでみたところ、
「どひゃー、これは、アレじゃ!!!!」
と再発見されたという数奇な書物なのである。
もったいなくてみなさんに紹介するのはイヤなのですが、ほんの一部だけ紹介してみます。
例えば、
〇月兎不見(月兎見えず)
月の中のウサギ(とされる暗い部分)が見えないときはどうなるの?
@ 「河図帝覧嬉」によれば、
三月中無兎蟾蜍、天下無官。
三月中に兎と蟾蜍無きときは、天下官無からん。
三月のころに月の中のウサギ又はヒキガエル(とされる暗い部分)が無くなっているときは、天下に公的機関が無くなる(国家が崩壊する)であろう。
おそろしい。
A 「荊州占」によれば、
月中無兎蟾蜍不見、天下失女主。一曰、宮女不安。
月中に兎無く蟾蜍見えざるときは、天下女主を失わん。一に曰く、宮女安んぜず。
月の中のウサギ(とされる暗い部分)が無く、あるいはヒキガエル(とされる暗い部分)が見えないときは、天下は女性の主君を失うことになろう。あるいは、宮中の女どもが騒ぎ出すであろう。
なんと。
B 「河図」によれば、
蟾蜍去月、天下大乱。
蟾蜍月を去れば、天下大いに乱れん。
ヒキガエル(とされる暗い部分が見えず、それが)月から去ってしまった(ように見えた)ときは、天下が大いに乱れることになるであろう。
うわー。
C 「黄帝占」によれば、
月望而月中蟾蜍不見者、月所宿之国、山崩大水、城陥、民流亡。亦爲失主、宮中必不安。
月望にして月中の蟾蜍見えざるものは、月の宿るところの国にて、山崩れ大水し、城陥ち、民流亡せん。また失主が為に宮中必ず安んぜざらん。
満月のときに月の中のヒキガエル(とされる暗い部分)が見えないという事態があれば、そのとき月がある星座に対応する地上の領域を治める国において、山崩れが起こり、洪水が起こり、町は陥落し、人民は流浪の旅に出ることがあろう。また君主がいなくなって、その宮中は混乱することになるだろう。
どひゃー。
・・・というように、この本があれば、天体の変化によってたいへん重大なことが起こることが予想できるのである。
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さあて、これからは毎日天体占いをして天下に起こることを予測して、うまく利用して生きていくぞー。わははは。わしを賢者として遇するならばみなさんにも教えてあげたい―――のですが、なかなか遇さないだろうから、わしの独り勝ちじゃなあ。