食べるのは意外と器用なオオサンショウウオ。ざるに入れて運ぶより腹に入れて運んだ方が確実である。
台風が迫っています。時速15キロぐらいでゆっくり来ているので、東海汽船の八丈島行きより遅いぐらいです。ゼイタクな時間の使い方をしているようである。
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隠棲した山中から遠眼鏡で町なかを見ていましたら、「やったー、ひとを出し抜いて儲けたぞー」と喜んでいるひとがいました。
我見謾人漢、 我、人を謾(あざむ)く漢を見るに、
如籃盛水走。 籃に水を盛りて走るが如し。
わしは、ひとを出し抜いたやつを見た。
そいつの姿は、どうも、ざるに水を入れて走っているようである。
一気将帰家、 一気に将(も)ちて家に帰るも、
籃裏何曾有。 籃裏に何ぞかつて有らんや。
息もつかずに家まで持ち帰るのだが、
ざるの中には水はもう残っていないのだ。
カッコ悪いなあ。
一方、
我見被人謾、 我、人に謾むかれしを見るに、
一似園中韮。 一に園中の韮に似たり。
わしは、ひとに出し抜かれたやつも見た。
そいつの姿は、なんだか畑の中で栽培されているニラのようである。
ニラは発育のいい植物である。
日日被人傷、 日々に人に傷めらるるといえども、
天生還自有。 天生また自ずから有らん。
毎日毎日ひとに摘み取られていくのに、
天からもらったその(善の)本質はおのずと失われていない。
すばらしい。
山の中にいると、いいものが見えるなあ。
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「寒山集」より。山中にいると、このような役に立つ知識がたくさん身につきます。みなさんも早く来て、身につけないと、どんどん遅れていくよー。