翼竜である。また彼に騎ることもあるだろう。いつかすべてから自由になった日に。
うわー。日曜日終わり。今日はいい日だったけど、今日がいい日であればあるほど明日がツラいではありませんか。
・・・・・・・・・・・・・・・・
後漢の陳蕃、字・仲挙は少年時代から大志を懐いていた。
ある日、庭先の掃除を言いつけられてもサボっていたので、叱られた。すると、
大丈夫当爲国家掃天下。
大丈夫、まさに国家のために天下を掃うべし。
「おいらは大人になったら、国家のために天下の大掃除をしてあげまちゅんでちゅからね!」
と言い訳したという。
大人になってからは、外戚や宦官たちの権力の中で正義を貫き、
言爲士則、行為世範。登車攬轡、有澄清天下之志。
言は士の則たり、行いは世の範たり。車に登り轡(ひ)を攬(と)れば、天下を澄清せんとの志有り。
そのコトバは士人たちの決まりコトバとなり、その行動は世間の模範とされた。馬車に乗って手綱(政権)をとったときには、天下を清らかにしてやろうという志を持っていたのである。
なお、「士」といいますのは、本来、
士農工商、四民有業、学以居位曰士。
士農工商、四民業有るに、学以て位に居るを士と曰うなり。
士・農・工・商の四種類の民にはそれぞれにシゴトがある。この中で、学問によって地位に就いている者を「士」というのである。
なんだそうです(「漢書」食貨志上)。このHPはホントに勉強になりますね。
その陳蕃が予章の太守となったとき、
至、便問徐孺子所在、欲先看之。
至るに、すなわち徐孺子の所在を問い、まずこれを看んとす。
徐孺子とは、徐稚、字・孺子、予章の隠者である。
赴任するや、すぐに徐稚の住所を問い、とにかくまず彼に会おうとした。
「なりませんぞ」
主簿曰、群情欲府君先入廨。
主簿曰く、「群情、府君はまず廨(げ)に入らんことを欲せり」と、
主簿(総務部長)が言った。
「みんな、太守さまにはまずは官舎にお入りいただき、御休息いただきたいと思っておりますぞ」
まずは地元の有力者と面接し宴会をするのが例であった。
「いやいや」
陳蕃は言った、
武王式商容之閭。席不暇暖。
武王、商容の閭に式(いた)る。席、暖まるに暇あらず。
「周の武王は、(殷に勝利するとすぐに)殷の遺賢・商容が隠れ棲む路地裏に行って面会したという。座布団が暖まる間も座っていなかったというではないか」
「はあ」
吾之礼賢、有何不可。
吾の賢に礼するも、何ぞ不可なる有らん。
「わしレベルの者が、賢者に礼を尽くして会おうとしたって全く問題がない」
と言いまして、徐稚の家に出かけたのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「世説新語」徳行第一より。「世説新語」の開巻劈頭最初のエピソードです。掃除をサボるのはすばらしいが、宴会もせずにシゴトするのはツラい・・・ということは無かったのであろうか。
それにしてももう今日は終わり。明日はツラい。