藩政に関わらせるとあまりにも危険なため、隠棲を余儀なくされているぶたとの。しかもモグ忍者、ナマケモノ忍者、コアラ忍者らに行動を監視されているのである。
わーい、明日はもう月曜日。またシゴトは出来ないのでしないけど職場に行けてうれしいなー。
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宋の時代のことです。
四川のひと景煥は博識で風雅な士であった。
志尚静隠、卜築玉塁山茅堂、花榭足以自娯。
志は静隠を尚(たっと)び、玉塁山に茅堂を卜築して、花榭(さ)けば以て自ら娯しむに足るとす。
静かに隠者として暮らしをしようと考えて、場所を占って玉塁山の中に茅葺きの粗末な家を建てて暮らし、季節に花が咲くのを楽しんで、自足した生活を送っていた。
そんな彼のところに、心有るひとから、墨の材料が贈られてきた。
甚精、止造五十団。
甚だ精なれども、五十団を造るに止どむ。
たいへんいい材料だったが、景煥は五十の丸墨を作るにとどめて、あとは余らせておいた。
「手数が変わるわけでもないのに、いったいどうしてもっと作らなかったのかね」
と問われて、景煥が答えたことには、
以此終身墨。
これを以て終身の墨とす。
「これで、わたしの一生に使う分にはどうやら足りそうですからね」
と。
まことに清々しいことではないか。
墨に印を押した。
文曰香璧、陰篆曰副墨子。
文には「香璧」と曰い、陰篆して「副墨子」と曰う。
印は「香りのある玉」と押し、篆字で「我が助手・墨先生」と刻まれていた。
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宋・陶穀「清異録」巻四より。
明日、土ぼこり舞い上がり人ひしめきあう世俗社会に出ていっても役になど立ちませんので、ホントは職場行きたいけどガマンして、墨でも捏ねていようかなー。