平成30年4月24日(火)  目次へ  前回に戻る

何をやってもダメだけど、無駄飯食らいレベルの高さについては自信があるタイプ。

みんな一生懸命やっているのに、おいらはのそのそ。前に進んでいるわけでもないみたいで、後ろからは「おい、ジャマだ」と怒鳴られて・・・。自分がイヤになります。

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―――おいらはダメ人間でちゅう。

まあまあ肝冷斎さん、ゆっくりやるのがいいんですよ。

―――ああ、これは司馬穣苴(しば・じょうしょ)さまではございませんか。

そうですじゃ。

古代においては、

軍旅以舒為主。

軍旅は舒を以て主と為せり。

軍隊は、ゆっくりやるのが基本とされておりましたのじゃ。

―――へー。そんなら昼間からゆっくりして、ちょっと居眠りするか。

舒則民力足、雖交兵致刃、徒不趍、車不馳、逐奔不踰列、是以不乱。

舒なれば民力足り、兵を交え刃を致すといえども、徒趍(はし)らず、車馳せず、奔を逐うにも列を踰えず、ここを以て乱れざるなり。

ゆるやかであるから、民の生産力が軍事を支えるに足りるし、前線で武器を交え刃を使う白兵戦のときであっても、歩兵は走らないし、戦車は急速移動しない。後退する敵を追撃するときにも後列が前列を追い越すことなく、どんなときも混乱することが無いのじゃ。

―――ぶうすか、すう。ぶうすか、すう。

軍旅之固、不失行列之政、不絶人馬之力、遅速不過誡命。

軍旅の固きは、行列の政を失わず、人馬の力を絶せず、遅速の誡命を過たざればなり。

軍隊が強固であるとすれば、それは、陣列が定められたとおりであること、兵士と軍馬を限界まで使わないこと、行動の速度が命令のとおりであること、によるのですな。

決して急ぐことが条件ではないのですぞ。

―――むにゃむにゃ。

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「司馬法」より。同書は古典的な兵学を記した「七書」の一(他は「孫子」「呉子」「尉繚子」「李衛公問対」「三略」「六韜」)で、春秋・斉の景公(在位前547〜前490)に仕えた名将・司馬穣苴の著と伝わる・・・が、実際は戦国〜漢代のもので、もと「漢書藝文志」に「軍礼司馬法155篇」とされたものの一部(現存は5篇のみ)ではないかと考えられるものである。

 

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