ぶたとのは雨が降ったら休む。
明日も明後日もいろいろマズいことが起こると予想されるので会社には行きたくないところである。雨が降ったら「雨降ってるんで会社行けません」と電話しようと思うんですが、雨降りそうに無いんです。困ったなあ。
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戦国・魏の文公(在位前445〜前396)が、
与虞人期猟。
虞人(ぐじん)と猟を期す。
山野を掌る役人である虞人に連絡して、狩猟の期日を決めた。
ところが、
是日飲酒楽、天雨。
この日、酒を飲みて楽しみ、天は雨ふれり。
その日は、前夜からの酒宴が行われ、朝から雨が降っていた。
そういう日だったんですが、
文侯将出。左右曰、今日飲酒楽、天又雨、公将焉之。
文侯まさに出でんとす。左右曰く、「今日、酒を飲みて楽しみ、天また雨ふれり。公いずくにか之(ゆ)かんとする」。
文侯は出かけようとした。そこで側近の者たちが諫めて言うに、
「今日は朝まで酒宴を行っております。それに雨が降っております。そんな中を、殿さまはどこに行かれようとされるのか」
文侯は応えておっしゃった。
吾与虞人期猟。雖楽、豈可不一会期哉。
吾、虞人と猟を期す。楽しむといえどもあに一たび期に会せざるべけんや。
「わしは虞人のやつと狩猟の期日を取り決めておるのだ。楽しく酒宴をしているからといって、一度でも取り決めどおりに行動しないことがあってよいだろうか」
そして
乃往、身自罷之。
すなわち往き、身自らこれを罷む。
そのまま出かけて行き、自分自身で中止を宣告した。
のだそうです。
魏於是乎始強。
魏、ここにおいてか、始めて強し。
魏はこんなことから、強くなっていったようである。
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「戦国策」巻七「魏策上」より。誰でも、そんな日に宴会しなければいいのに、とは思うと思います。しかし結局は雨降って中止するんですから、使いの者でもいいではないか、出迎えなくていい分虞人もウィン、出かけなくていい分文侯もウィン、文侯の馬車とか馭者とかもみんなウィン、という気がしました。とはいえ国が強くなるためならば、少しはムリしないといけないのカモ知れぬ。