戦国ぶた軍団は、防御に強いハマグリ・アサリ・シジミ軍団を採用している。モグ軽よりは優秀だ。ただし煮たり焼いたりされると弱い。
ぶた肝冷斎だから会社に行かなくていいと思っていたのに、結局出勤させられましたでぶー。怪しからん。いったいどうなっているのか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
宋の時代のことでございます。曾魯公というひとは
放生以蜆蛤之類。
蜆・蛤の類を以て放生(ほうじょう)す。
シジミやハマグリを(買ってきて)逃がしてやり、功徳を積む「放生」をよく行っていた。
以爲人所不放而活物之命多也。
以て人の放たざるところと為し、物の命を活すること多きなり。
シジミやハマグリはあまり他の人が放生に使わない対象なのだが、相手が小さくて数が多いので、ずいぶん多くの命を助けていたのである。
曾魯公は、ある日、夢を見た。
被甲者数百人、前訴。既寤而問其家、乃有恵蛤蜊数罨者。
甲を被る者数百人、前に訴う。既に寤(さ)めてその家に問うに、すなわち、蛤・蜊数罨を恵む者有り。
「罨」(あん)は、上からかぶせるタイプの網。
かぶとを被ったやつらが何百人も出てきて、魯公の前で何やら訴えているのである。
目を醒ました魯公は(これは何かあるぞ)と思いまして、早速家人に
「今日は何か変わったことは無かったかな?」
と問うに、
「今日はあるところからハマグリやアサリを何袋か、いただいております」
との答えである。
「それは、いかん、いかんぞ」
即遣人放之。
即ち人を遣りてこれを放つ。
すぐに家人に命じて川に放してやった。
すると、
夜復夢被甲者衆謝。
夜また甲を被る者、衆(おお)く謝するを夢みたり。
その晩、またかぶとを被ったやつらが多数現れて、感謝する夢を見たのであった。
それだけです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
宋・魏泰「東軒筆録」より。魏泰は北宋のひと、というだけでその伝は不明。
今日はシジミ汁食った。うまかった。ぶたなのに会社に行かないといけない不運は、シジミたちの恨みのせいであるのかも知れぬ。でぶー。