平成30年2月13日(火)  目次へ  前回に戻る

戦国ぶた軍団は、防御に強いハマグリ・アサリ・シジミ軍団を採用している。モグ軽よりは優秀だ。ただし煮たり焼いたりされると弱い。

ぶた肝冷斎だから会社に行かなくていいと思っていたのに、結局出勤させられましたでぶー。怪しからん。いったいどうなっているのか。

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宋の時代のことでございます。曾魯公というひとは

放生以蜆蛤之類。

蜆・蛤の類を以て放生(ほうじょう)す。

シジミやハマグリを(買ってきて)逃がしてやり、功徳を積む「放生」をよく行っていた。

以爲人所不放而活物之命多也。

以て人の放たざるところと為し、物の命を活すること多きなり。

シジミやハマグリはあまり他の人が放生に使わない対象なのだが、相手が小さくて数が多いので、ずいぶん多くの命を助けていたのである。

曾魯公は、ある日、夢を見た。

被甲者数百人、前訴。既寤而問其家、乃有恵蛤蜊数罨者。

甲を被る者数百人、前に訴う。既に寤(さ)めてその家に問うに、すなわち、蛤・蜊数罨を恵む者有り。

「罨」(あん)は、上からかぶせるタイプの網。

かぶとを被ったやつらが何百人も出てきて、魯公の前で何やら訴えているのである。

目を醒ました魯公は(これは何かあるぞ)と思いまして、早速家人に

「今日は何か変わったことは無かったかな?」

と問うに、

「今日はあるところからハマグリやアサリを何袋か、いただいております」

との答えである。

「それは、いかん、いかんぞ」

即遣人放之。

即ち人を遣りてこれを放つ。

すぐに家人に命じて川に放してやった。

すると、

夜復夢被甲者衆謝。

夜また甲を被る者、衆(おお)く謝するを夢みたり。

その晩、またかぶとを被ったやつらが多数現れて、感謝する夢を見たのであった。

それだけです。

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宋・魏泰「東軒筆録」より。魏泰は北宋のひと、というだけでその伝は不明。

今日はシジミ汁食った。うまかった。ぶたなのに会社に行かないといけない不運は、シジミたちの恨みのせいであるのかも知れぬ。でぶー。

 

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