また雪が降りやがって、雪だるまが肥大化する。NPBのキャンプも始まったというのに。
今日はまたまた寒かった。風がまるで剣を以て刺すかのように冷たかったのである。
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剣で刺すと痛いのでイヤである。
明の成化年間(1464〜1487)に遼東巡撫となった彭誼、字は景宜さまは、清廉潔白で名高かった。
身既没、其子孫以憲廟所賜剣、懸於祠堂。
身すでに没し、その子孫、憲廟の賜うところの剣を以て、祠堂に懸く。
本人が亡くなられて後、その子孫は、彭誼さまが憲宗・成化帝から下賜された剣を、先祖を祀る堂に懸けて飾っていた。
この剣に不思議な言い伝えがあった。
毎一動錚錚有声、則其宗人之不肖者輒自剄而死。
一たび動きて錚々(そうそう)と声有るごとに、その宗人の不肖なる者、すなわち自剄して死す。
この剣がおのずから動いてからんからんと音を立てることがあると、必ず、その一族の中に間違いを仕出かした者が、自ら首を斬って自殺するのである。
ひとびと、この剣が間違いを仕出かした者を責め、自裁に導くのであろう、と言っていた。
これを嫌がった族人が、あるとき
以剣瘞香炉下。
剣を以て香炉の下に瘞(うず)めたり。
剣を、お堂の香炉の下に埋めてしまった。
ところが、この男がお堂の祀りに参加していたとき、
其鳴亦然。
その鳴るやまた然り。
地下からやはり剣のからんからんと鳴る音が聞こえてきたのである。
その音が耳に入った瞬間、その男は、自らの剣を以て喉を突き、自裁した・・・という。
あるひとが言うには、
以公之霊、使以其所受賜剣用之於国、無徒用之於家、則奸賊之臣、何難尽誅以謝天下。
公の霊を以て、その受賜せるところの剣を以てこれを国に用いせしめ、徒らにこれを家に用うる無からしめば、すなわち奸賊の臣、何ぞことごとく誅して以て天下に謝すること難からんや。
「ああ! 彭先生の清廉な神霊に、皇帝より賜った剣を使わせるのならば、無駄にその一族にだけ使うのでなく、国全体に向かって使わせればよろしいのだ。そうすれば、奸悪で国に害を為す官吏どもをことごとく殺し尽して、天下の人民に謝罪することも難しいことではなかろうに」
それを恐れた人が一族の中にいたのであろうか、
此剣銷為門牛。
この剣、銷(とか)されて門牛と為れり。
この剣はその後、鋳つぶされてお堂の門前に立つウシの像とされてしまった。
ところがまた後に、
人亦有取之鋳為一龍文匕首者矣。
人またこれを取りて鋳て龍文の匕首と為せる者有り。
誰かがまたウシを鋳つぶして、龍の紋の入った短剣に造りかえたらしい。
現在、彭家の飾ってある短剣がそれだということだ。
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清・屈大均「広東新語」巻十六より。
こんなのがうちの一族にあったらわしなど何度も自裁させられていたと思われます。ご先祖が立派でなくてよかった。
もうすぐ暖かくなってくると思って耐えているのですが、来週も寒かったらもうガマンできんから、キレてしまうであろう。ほんとにいい加減にしてほしい。