錦秋の候、大手を振って地表を歩いている方々も多いが、そろそろ地中が暖かくなってまいりモグ。
宵のうちは雲のかげだった明月も、21時ごろからは見えていたが、まだ水曜日。今日も無気力。でぶー。
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明月に関係したようなうたでも聞いていただきます。おれたちのブルースを。でぶー。
世間何事最堪嗟、 世間何事か最も嗟(なげ)くに堪えたる、
尽是三途造罪査。 ことごとくこれ三途に造罪の査ならん。
「三途」はジゴク、チクショウ、ガキの三悪道のこと。「造罪の査」の「査」(さ)は唐宋代の俗語で、相手に対して卑下した一人称、なんだそうです。
世の中で一番嘆くべきものはなんであろうか。
おいらのやること為すことが、来世に悪い世界に落とされる罪になる、ということではないでしょうか。
そこで、罪を犯さないようにします。その方法は実は簡単。
不学白雲巌下客、 学ばずや、白雲巌下の客の
一条寒衲是生涯。 一条の寒衲これ生涯なるを。
「衲」(ノウ)は僧の衣。
白い雲の沸く岩山に棲んで、
ただ一着の粗末な僧衣を着て一生を過ごす方の真似をすればよい。
秋到任他林落葉、 秋到ればさもあらばあれ、林は葉を落とし、
春来従你樹開花。 春来たればままにせよ、樹は花を開く。
「任他」を「さもあらばあれ」、「従你」を「ままにせよ」と知ったふうに読み下してみましたが、別に知ったふうにせずに「他(かれ)に任せん」「你(なんじ)に従わん」と読んでも一緒だなあ、どうでもいいなあ、どうでもいいや、と思えてきました。
秋が来たなら、林は落葉するだろう。そんなことは放っておけばいいや。
春になったなら、樹々の花は開くだろう。それも木々のやりたいとおりにさせておきます。
要するに、何にもしなければいいんです。何かしたら全部罪になるんだから何もしないのが一番だ。
三界横眠閑無事、 三界に横眠して閑として事無く、
明月清風是我家。 明月清風はこれ我が家なり。
「三界」は欲界、色界、無色界のことで、衆生が輪廻する範囲。ちなみに我々は今、欲界の上から二番目の「人間道」にいるんですが、ブッダになって解脱しない限り、死んでもまた「三界」という世界のどこかに生まれてくるんです。
世界に横たわって眠ってしまい、さぼって何もしないでいよう、
明るい月の下、すがすがしい風の吹くところ―――こそ、おいらの本来の住処である。
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「寒山詩」より(198番)。おいらは実はぶたなので、「人間道」にいるわけではないのでぶが、毎日、明月・清風を住み家にして横眠しているのでぶー。
清風朗月不用一銭買。 清風朗月は一銭の買うを用いず。
すがすがしい風と明るい月は、ニンゲン世界のおカネなど一円も出さないでも、手に入るのさ。 (李太白「襄陽歌」)
のでぶよ。ぶっひっひ。