ドウブツの世界も上下関係があってキビシイのではありますが、ニンゲンほどではないからニャあ。
そろそろ世俗社会から隠退させていただこうかニャ、と思います。たった一週間で疲れてしまいましたでニャあ。
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現世におりますとニャあ―――、
枯藤老樹昏鴉、 枯藤、老樹、昏(くれ)の鴉、
小橋流水人家、 小橋、流水、人の家、
古道西風瘦馬。 古道、西風、痩せたる馬。
枯れた藤の蔓、それが纏わりついている老樹、その老樹の枝に夕暮れに鳴くカラス。
小さな橋、その下を流れる水、その向こうの貧しい人の家。
古ぼけた道を西風が吹き、その中を歩み来る瘠せ馬。
その瘠せ馬の背にまたがって、背中を丸めているのはおいらだ。
夕陽西下、 夕陽西に下り、
断腸人在天涯。 断腸のひと、天涯に在り。
夕陽は西に沈んでいく。
はらわた断つほと哀しみに沈んでいるひと(=おいら)は、郷里を離れて、天の果てのような遠いところにいるんだ。
孤独なのだ。
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―――というような状態になってきましたので、そろそろお暇をいただこうと思いますのニャ。
なお、作品は元曲四大家のひとり・馬致遠「越調・天浄沙、秋思」(越調の「空の世界の清らかな砂浜」の節で、「秋の思い」)でした。人口に膾炙したという名作中の名作だそうです。確かにいいですよね、という気がします。