平成29年5月16日(火) 目次へ 前回に戻る
いつも言ってますが、賢者は賢者でないようなふりをして隠れているものなのである。何度言ったらわかるのでぶかー!
なんとか昼間起きていようとしてすごい気力を使ったので疲れたが、まだまだ火曜日だったか。
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さてさて。
士君子貧、不能済物者。
士君子は貧にして物を済(すく)うことあたわざる者なり。
わたくしども読書人というのは、貧乏なんです。経済的にみなさんを救済することはちょっとできない。
しかし、
遇人痴迷処、出一言、提醒之、遇人急難処、出一言、解救之。
人の痴迷の処に遇うに、一言を出だしてこれを提醒し、人の急難の処に遇うに、一言を出だしてこれを解救せん。
誰かがオロカで迷ってしまったときに、ひとこと言って、そのひとを迷いから覚めさせたり、誰かが差し迫った困難に陥っているときに、ひとこと言って、悩みから解放してやりたい。
ということはできる・・・と思っております。
亦是無量功徳。
またこれ無量の功徳なり。
こういうのもまた計り知れないほどの功徳であろう。
と思うのですが、みなさんはわしに何も聞きに来ないからなあ。
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「菜根譚」前集143則。いやみっぽいですが、これは還初道人・洪自誠がおっしゃっているのであって肝冷斎ではありません。肝冷斎は聴きに来てもらってもいいんですが、
悪忌陰、善忌陽。
悪は陰を忌み、善は陽を忌む。
悪は隠れていることを嫌がり、善は人目につくことを嫌がる。
と言いますので、人目につかないようにしております。だから聴きにこれませんよね。くっくっく。もしかしたら悪かも知れませんし。
悪之顕者禍浅、而隠者禍深。善之顕者功小、而隠者功大。
悪の顕らかなるものは禍浅く、隠れたるものは禍深し。善の顕らかなるものは功小さく、隠れたるものは功大なり。
誰にも明らかに悪とわかるものは大したわざわいをもたらさないが、人目につかない悪は大きなわざわいをもたらすことになる。誰からも善とわかっているものは大したはたらきをしないが、人目につかない善は大きなはたらきをすることになるだろう。
これは同・139則。