「耳を剃るとさっぱりするのう」とぶた僧侶。さわやかな春風が吹いていた。
夜、ちらりと雨降ってきて寒かった。まだ薄着できるような季節ではない。
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唐の時代のことでございます。
ある僧が長沙景岑禅師に問うた。
有人問和尚、即随因縁答。無人問和尚時如何。
人の和尚に問う有れば、即ち因縁に随いて答えん。人の和尚に問う無きときは如何。
「和尚さまは、誰かが質問したときには、そのときそのときに対応してお答えしておられます。しかし、誰も質問しないときには、いったい何をしておられるのですか」
禅師答えて曰く、
困則睡、健則起。
困ずれば睡り、健なれば起つ。
「調子が悪いときは眠っておる。調子が良ければ起きておるよ」
僧はまた訊ねた。
教学人作么生会。
学人をしていかにか会(え)せしむ。
「わたしどもにも理解できるように、どのように教えいただけますか」
禅師答えて曰く、
夏天赤骨力、冬寒須得被。
夏天には赤骨に力(つと)め、冬寒にはすべからく被を得ん。
「夏の日には赤はだかで暮らし、冬の寒さには何か着るものを身に着けるべきじゃな」
自然にしたがって、あるがままに生きよ、というようなことなのであろう。
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「五燈会元」巻四より。
ということで寒いので、まだはだかでは暮らせません。