家から出たくないけど花見なら行きたい。
明日はツラいしごとあるので、困った。家から出たくない。
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むかしも世間様がイヤで引きこもったひとがいたんですが、
三間矮屋小林園、 三間の矮屋、小林園、
隠逸聊当避世喧。 隠逸いささかまさに世の喧(かまび)すしきを避くべし。
三つしか部屋の無い小さな家で、ちょっとした木のある庭がついているだけだが、
ここに隠れ棲んで、うるさい世間さまから逃げ出してしまうのがよろしかろう。
と言ってますので、狭いといっても庭附きの一戸建てなんですね。
此是先生捫蝨処、 これぞこれ、先生が捫蝨(もんしつ)の処、
不容貴客叩松門。 貴客の松門を叩くを容(ゆる)さず。
こここそ、この先生がシラミをとってつぶす場所じゃ。
おえらがたがお見えになって、門代わりの松の木を叩いても、お断りだ。
シラミがいるのはイヤですが、隠棲場所を「シラミをつぶすための場所」とはうまく言ったもんです。
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東行・高杉晋作「題馬関捫蝨処」(馬関の捫蝨処に題す)。「捫蝨処」は、長崎から帰ってきて、第二次長州征伐に対抗して藩内クーデタで実権を握るまで、高杉が愛人のおうのさんと暮らしていた下関のアジトの名前。おいらも肝冷斎を追い出されたら、次の行き場所はこんなカッコいい名前をつけたいものである。