春になると、海底では見たこともないムシが現れ、花が咲き始める。なかなか納得できない。
出勤してまいりました。なんにもしていないのに疲れた。一日でこんなに疲れたのに、明日からまだ四日も出勤するなんて、全く納得できません。
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世の中納得できない話ばかりである。
湖南・営陽から南へ百余里(50qぐらい)ほど行ったところに、蘭岩山という山があります。
峭抜千丈。
峭抜すること千丈なり。
平地から1800メートルぐらい、そびえ立っている。
という険しい山である。
この山に、
常有双鶴、素羽X然、日夕偶影翔集。
常に双鶴の素羽X然(きょうぜん)たる有りて、日夕に影を偶して翔けり集まる。
いつも二羽のツルがいます。白い羽はぴかぴかと光るほどで、昼も夜もお互いの影となるように飛んだり巣に戻ったりして助け合って暮らしている。
土地の老人は言う、
昔有夫婦、隠此山数百年、化為双鶴、不絶往来。
昔夫婦有りてこの山に隠るること数百年、化して双鶴を為りて、絶えず往来す。
むかしむかし、ある夫婦がこの山中に隠棲したのじゃが、かれらは数百年後、二羽のツルに変化して、いつも一羽が飛べば一羽が巣に残って暮らしていたのじゃ。
と。
ところが、
忽一旦、一鶴為人所害。
たちまち一旦、一鶴、人の害するところと為る。
ある朝、突然、一羽のツルが、猟師に殺されてしまったんじゃ。
それからというもの、
其一鶴、歳常哀鳴、至今響動巌谷、莫知其年歳也。
その一鶴、歳に常に哀鳴し、今に至るも巌谷に響動して、その年歳を知るなきなり。
遺された一羽は、毎年毎年、悲しげに鳴き、その声は今もなお渓谷にコダマし続けている。ずいぶん昔のことで、それからいったい何年になるのか、わしにもよくわからない。
以上。
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晋・干宝「捜神記」より。
最初、「二羽のツルがいる」と言っておいて、後半では「遺っているのは一羽だけ」というのである。どういうアタマの構造なのであろうか。まったく納得がいかない。