食べて憂さを晴らすひともいると思うが、だんご一本程度ではより絶望的になるだけであろう。
わーい、今日も眠いのにがんばった・・・と思ったけど、まだ水曜日だったのか。今日も長かったので、明日も眠いだろうなあ。
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漢の武帝(在位前141〜前87)が扶風・甘泉に行幸したとき、
道中有虫、赤如肝、頭目口歯悉具。
道中に虫あり、赤きこと肝の如く、頭目口歯ことごとく具わる。
途中、見慣れぬ虫を見つけた。まるで肝臓のように赤黒く、頭・目・口・歯があるのであった。
これはなんというムシであろうか。
誰も知らなかったので、東方朔が呼ばれてきた。
東方朔、虫を見て言うには、
「うっしっし。臣もまたこの虫の名を知りませぬでちゅじゃ。しかしながら、
此古秦獄地也。積憂所致。
これいにしえの秦の獄地なり。積憂の致すところならん。
ここは、たしか昔、秦の時代に牢獄に使われておった場所のはず。おそらくは秦の過酷な法執行のもとで、入牢者たちが持った絶望感がこのような虫を生み出したのでございまちゅまいか」
「へー」
「ほんとかなあ」
「どうかなあ」
皇帝が地図を持って来させて閲するに、確かにここは秦の時代に牢獄のあったところらしい。
東方朔、「おっほん」と咳払いして曰く、
夫積憂者得酒而解。
それ、憂いを積む者は酒を得て解かん。
「だいたいでちゅな、絶望感でいっぱいなやつは酒を飲むと発散してしまうものでちゅよ」
そこで、
取虫置酒中立消。
虫を取りて酒中に置くに立ちどころに消ゆ。
その虫をつかんで、酒の中に入れてみたところ、「しゅううう・・・」と、あっという間に融けて消えてしまった。
そうである。
うっしっし。
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梁・任オ「述異記」巻上より。
いよいよWBC東京プールも終わってしまいました。結果は最上だったのですが、祭りは終わった。絶望感を解消するには、もうお酒の力を借りるしかないのかも。われらには。