平成29年2月14日(火)  目次へ  前回に戻る

ぶたにもワルそうなやつらがいるのだから、国際社会にはもっとたくさんワルがいるのであろう。

「ふんどしの日」でもあるんだそうです。

それにしても、暗殺者の毒針こわい。国際社会には、滅多にありそうにないことが起こるものなんですね。

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江南地方では俗に、

見事難成則曰須鉄樹開花。

事の成り難きを見れば、「鉄樹の開花するを須(ま)て」と曰えり。

出来っこ無いこと、ありそうにないことをいうのに、「鉄樹に花が咲いたなら・・・」ということが多い。

「鉄樹」というのは鉄で出来た木なのであろうが、そんな木に花が咲くはずがないではないか。―――とわたしも長いこと思っていたんです。

しかし、広西・馴象衛に赴任していたとき、

見一樹高可三四尺、幹葉皆紫色、質理細厚。

一樹の高さ三四尺ばかりにして、幹葉みな紫色、質理細厚なるを見る。

一本の見慣れない木があった。高さは一メートル少しぐらい、幹も葉も紫色で、木の肌理は細かく厚いのである。

「これは何の木ですか」

と地元のひとに訊いてみたところ、

此鉄樹也。

これ鉄樹なり。

「これは鉄樹じゃよ」

と教えられた。

「ええー! これが鉄樹なんですか。鉄で出来た木じゃなかったんだ・・・」

「見たこと無かったのかね」

「ええ。わたしの郷里では、出来っこ無いことを言うのに、「鉄樹に花が咲いたなら・・・」というんで、名前だけは知っていたんですが」

「ほほう。この花は、

毎遇丁卯年開花、累月不凋。

丁卯年に遇うごとに開花し、累月凋まざるなり。

ひのと・うの歳ごとに花を開き、咲くと何か月も凋まないのじゃよ」

つまり、六十年に一回だけ、花をつけるということだ。

乃知鉄樹開花之説、自有来矣。

すなわち「鉄樹開花」の説の、おのずから来たる有るを知れり。

ということで、「鉄樹に花が咲いたなら・・・」というのは、ちゃんと根拠のある話なのだということがわかりました。

丁卯歳ということなら、次は2047年のはずですよ。

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明・君子堂・王済「日詢手鏡」より。

「鉄樹」は、黒くてたいへん密度が大きい材木になる「鉄木」というクスノキ科の木らしいんですが、「鉄樹開花」というのは、ゲンダイでも、見込みの無いこと、起こりそうにないことをいう四字熟語になっています。でも六十年に一回起こるなら、生きているうちに一回ぐらいは起こるのか。東京オリンピックよりは短い?

 

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