ぶたにもワルそうなやつらがいるのだから、国際社会にはもっとたくさんワルがいるのであろう。
「ふんどしの日」でもあるんだそうです。
それにしても、暗殺者の毒針こわい。国際社会には、滅多にありそうにないことが起こるものなんですね。
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江南地方では俗に、
見事難成則曰須鉄樹開花。
事の成り難きを見れば、「鉄樹の開花するを須(ま)て」と曰えり。
出来っこ無いこと、ありそうにないことをいうのに、「鉄樹に花が咲いたなら・・・」ということが多い。
「鉄樹」というのは鉄で出来た木なのであろうが、そんな木に花が咲くはずがないではないか。―――とわたしも長いこと思っていたんです。
しかし、広西・馴象衛に赴任していたとき、
見一樹高可三四尺、幹葉皆紫色、質理細厚。
一樹の高さ三四尺ばかりにして、幹葉みな紫色、質理細厚なるを見る。
一本の見慣れない木があった。高さは一メートル少しぐらい、幹も葉も紫色で、木の肌理は細かく厚いのである。
「これは何の木ですか」
と地元のひとに訊いてみたところ、
此鉄樹也。
これ鉄樹なり。
「これは鉄樹じゃよ」
と教えられた。
「ええー! これが鉄樹なんですか。鉄で出来た木じゃなかったんだ・・・」
「見たこと無かったのかね」
「ええ。わたしの郷里では、出来っこ無いことを言うのに、「鉄樹に花が咲いたなら・・・」というんで、名前だけは知っていたんですが」
「ほほう。この花は、
毎遇丁卯年開花、累月不凋。
丁卯年に遇うごとに開花し、累月凋まざるなり。
ひのと・うの歳ごとに花を開き、咲くと何か月も凋まないのじゃよ」
つまり、六十年に一回だけ、花をつけるということだ。
乃知鉄樹開花之説、自有来矣。
すなわち「鉄樹開花」の説の、おのずから来たる有るを知れり。
ということで、「鉄樹に花が咲いたなら・・・」というのは、ちゃんと根拠のある話なのだということがわかりました。
丁卯歳ということなら、次は2047年のはずですよ。
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明・君子堂・王済「日詢手鏡」より。
「鉄樹」は、黒くてたいへん密度が大きい材木になる「鉄木」というクスノキ科の木らしいんですが、「鉄樹開花」というのは、ゲンダイでも、見込みの無いこと、起こりそうにないことをいう四字熟語になっています。でも六十年に一回起こるなら、生きているうちに一回ぐらいは起こるのか。東京オリンピックよりは短い?