ぶた藩。勘定方をアンコウが勤めるなど、人材が豊富。
本当に寒い。家の外で眠るとキモチいいだろうなあ・・・。
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お釈迦さまから摩訶大迦葉尊者に伝えられた「禅」の教えは、天竺の人に代々受け継がれて、その十八番目の祖師を伽耶舎多(がやしゃた)尊者さまと申しますが、尊者さまは諸国を遍歴して、中央アジアの大月氏の国にまいりました。
一夜の宿を借りようとして戸を叩くと、中から返事があった。
「こんな夜中に宿を借りようとは、
是何徒衆。
これ何の徒衆ぞ。
あなたはいったいどういうグループに属しておられるのか?」
尊者は答えた、
是仏徒衆。
これ仏の徒衆なり。
「わたしはブッダの教えに属する者です」
すると、返事が無い。どうやら仏教に与しない人の家らしい。しかし尊者はお構いなしに
「入れてくだされ、入れてくだされ、なむぶっだー」
どん、どん、どーん。
と扉を叩いた。
しばらく叩いていたら、家の中から返事があった。
「うるさーい、
此舎無人。
この舎、人無し。
この家には誰も棲んでおらんのだ」
尊者さまはその答えを待ちかねていたように、訊ねた。
答無者誰。
無と答うる者は誰ぞ。
「いない、と答えた者は、いったい誰なのか」
それこそ、現実の存在を超えて、永遠に実在する「真如」(ほんとうのもの)なのではないか。
「なんと!」
彼聞語異、開門延接、投誠出家。
彼、語の異なるを聞きて、門を開きて延接し、誠を投じて出家す。
そのひとはそのコトバにショックを受けて、門を開いて尊者を迎え入れると、誠意をこめて出家したのであった。
このひとこそ、後に悟りを開き、伽耶舎多尊者の法を継いだ第十九祖・鳩摩羅多(くまらた)尊者さまでございます。
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宋・悟明「聯灯会要」巻二より。天竺から大月氏まで、このあたりも人材が豊富である。なむぶっだ。
そういえば今日は阪神大震災の日か。