平成28年11月24日(木)  目次へ  前回に戻る

←初雪を利用して頭を冷やしているのでしょう。

寒いと血圧が上がるのであろうか、頭がぼうっとしてくる。

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頭がぼうっとしているのはオトナとしてはよろしくありません。

念頭昏散処、要知提醒。

念頭の昏散する処、提醒(ていせい)を知るを要す。

あたまがぼうっとしている場合は、「呼び覚ます」ことが必要である。

念頭喫緊時、要知放下。

念頭の喫緊する時、放下(ほうげ)を知るを要す。

あたまが張り詰まっているときは、「ゆるめ放つ」ことが必要である。

「提醒」(呼び覚ます)、「放下」(ゆるめて放す)いずれも仏教用語です。

不然、恐去昏昏之病、又来憧憧之擾矣。

然らざれば、恐るらくは昏昏の病を去るも、また憧憧の擾(みだれ)を来たさん。

「憧憧」は心がふらふらして落ち着かないさま。「憧」という文字、「あこがれる」と訓じますが、ここでの用い方はまさに大和古語にいう「あくがれる」で、心がどこかに行ってしまっている状況をいいます。

そうでないと(「提醒」と「放下」両方をしないと)、たとえぼんやりする病いを治すことはできても、今度は気持ちがふらふらして落ち着かない、という悩みを抱えてしまうことだろう。

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「菜根譚」前集114則

筆者(明・洪自誠)は「昏散→提醒」、目を醒ましていると張りつめてきて➡「喫緊→放下」そしてまた➡「昏散」という循環をイメージしているのだと思いますが、たいていの場合、「昏散→放下→更なる昏散」という悪循環に陥ることとなってしまうわれらであるのだ。

 

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