道知らばたづねもゆかむもみぢ葉をぬさとたむけて秋はいにけり(古今集・秋歌 凡河内躬恒)(もしも行った先がわかれば、訪ねて行きたいものだけど。紅葉の葉を旅の無事を祈る道祖神への捧げものにして、秋はどこかに行ってしまった。)
地上はぶうぶうと木枯らし吹いて寒いですね。こちらは地下生活だからいいんですが。
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木枯らしが吹くとさすがに冬服が欲しくなるが、服はどんどん敝れていきます。
衣敝則欲新之、年頽則不欲舎之。
衣敝(やぶ)るればすなわちこれを新たにせんと欲するも、年頽(かたむ)けばすなわちこれを舎(す)つるを欲せず。
服が敝れますと新しいのが欲しいなあ、ということになりますが、老齢になったからといって、この身を棄ててしまおう、ということにはなりません。
達於用物、恡於用我。
物を用いるには達にして、我を用いるには恡(りん)なり。
「恡」(りん)は「吝」(りん)と同じで、ケチであること。
他のモノを使うときには気前がいいのですが、自分を使うときにはできるだけケチろうとする。
そういうものです。
でも、ようく考えてみますと、
不知、天地視我、亦敝衣之類耳。
知らず、天地の我を視ることもまた敝衣の類なるのみ。
天地宇宙も自分を破れた服のように見ているのだ、ということが、われわれにはなかなかわからない。
のです。天地宇宙は、おいらをそろそろ新しいのにしたいでしょうね。
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明・王納諫「会心言」より。
「そろそろ取り換えなければな」「こいつはダメだったからな」「今度のはちゃんと人並みに責任感を持って生きるやつにしないと」「オトナになれるやつですよね」とか思っているんだと思います。(悲)
そういえば岡本全勝さんのHPがえらくカッコよく取り換えられているよ。