ニンゲンたちから隠れるならカッパ社会だってあるのである。芥川龍之介だって来ているのである。ゲンダイのカッパ社会は秋から来年の春まではヒマでみんなゴロゴロしている豊かな社会である。
(うっしっし。ここまで来ればさすがに見つかりませんよ。誰にも見つからないところで好き放題言うのは楽しいなあ)
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―――(シゴトなど)困難なことを乗り越えようとしないのは、恥ずかしいことだ。
と言うひともいたりしますが、恥ずかしい、というのは、次のようなときに感じるべきものなのだそうです。・・・・
君子有五耻。
君子に五耻有り。
みなさんは、以下の五種類のことに該当したら恥ずかしいと思わねばなりませんよ。
1 居其位無其言、君子耻之。
その位に居りてその言無ければ、君子これを耻ず。
しかるべき地位に就いているのに、誰からも忠告を得ることができない。これは恥ずかしいことである。
2 有其言無其行、君子耻之。
その言有るもその行無ければ、君子これを耻ず。
発言だけして実行しない。これは恥ずかしいことである。
3 既得之而又失之、君子耻之。
既にこれを得てまたこれを失えば、君子これを耻ず。
はじめはよい評判を得て支持されたのに、後でその評判を失う。これは恥ずかしいことである。
4 地有余而民不足、君子耻之。
地に余り有りて民足らざれば、君子これを耻ず。
領土にまだまだ人が住むことができるのに、人民をいつくしむことができず人口が増えない。これは恥ずかしいことである。
5 衆寡均而倍焉、君子耻之。
衆寡均しくして倍すれば、君子これを耻ず。
相手と部下の人数は等しいのに、こちらの部下の心をつかむことができずに相手は倍の成果を挙げた。これは恥ずかしいことである。
うーん、おいら的にはあんまり恥ずかしいのは無いな。
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「礼記」雑記下より。解釈は基本的に元・陳澔の「礼記集説」の説に拠った。
潰滅し地下に潜ったわたくしども肝冷斎族ですが、わたしどもにおいては、休日過ごす服が無い、とか、靴の底がはずれてバコバコいう、とか、特に恥ずかしいことではないのはもちろんのことです。会社でおどおどペコペコし、部下や後輩に嗤われたり舌打ちされたりする、これもそれ自体は決して恥ずかしいことではない、とされております。しかし、そうやってでも養わねばならぬ家族も成し遂げたい夢もない、なのにそうしている、というのは恥ずかしいカモ知れん、と言い伝えらえております。