平成28年9月13日(火)  目次へ  前回に戻る

「おめえら智慧を出しな」「ホッホー」「ゲロゲロ」「ぶう」「ちゅう」智慧が出るはずがないのであった。

明日はシゴトでかなりの難問が待っていることが判明した。賢者ならこれを避けて行方をくらますだろうレベルである。

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これ↓は、難問でしょうか。

唐の世の末のころ、雪峯義存禅師、衆僧に言う、

要会此事、猶如古鏡当台、胡来胡現、漢来漢現。

このことを会せんと要せば、なお古鏡の台に当たるがごとく、胡来たらば胡を現じ、漢来たらば漢を現ぜよ。

―――この大切なことを理解しようとするならば、古代のぴかぴかの鏡が台に載せられているようにすることじゃな。異民族のやつが来たら異民族のやつの顔を映し出す。漢民族のやつが来たら漢民族のやつの顔を映し出すのだ。

時に、弟子の中から玄沙師備禅師が進み出て、問う、

忽遇明鏡来時如何。

忽ちに明鏡の来たるの時に遇わば、如何。

―――そこへ突然、ぴかぴかの鏡がやってきたら、どうするのですか。

鏡が鏡を映すのか。「明鏡」は自分の中の「仏性」をいうと解される。

雪峯禅師、ぎろりとにらんで、答えて曰く、

胡漢倶隠。

胡漢ともに隠る。

―――異民族のやつも漢民族のやつも映らない。

玄沙曰く、

老和尚脚跟猶未点地在。

老和尚、脚跟なおいまだ地に点せざる在り。

―――じじい和尚どの、足さきがまだきちんと地面についておられないのでは?

雪峯禅師、ぎろりとにらんで、無言。

以上、「五灯会元」巻七・玄沙師備章より。

ところで、「聯灯会要」という本にはこの続きが書いてあります。

・・・玄沙師備はコトバを継いで言う、

某甲即不然。

某甲は即ちしからず。

―――それがしは、そうではありません。

雪峯禅師、曰く、

你作麼生。

你、作麼生(そもさん)。

―――おまえ、何がいいたいのだ?

玄沙曰く、

請和尚問。

請うらくは、和尚問わんことを。

―――和尚が訊いてくれたら答えますよ。

ふむ。

そこで、雪峯禅師、ぎろりとにらんで曰く、

忽遇明鏡来時如何。

忽ちに明鏡の来たるの時に遇わば、如何。

―――そこへ突然、ぴかぴかの鏡がやってきたら、どうするのじゃ。

玄沙曰く、

百雑砕。

百雑に砕けん。

―――ばらばらに砕け散ってしまいます。

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以上。「正法眼蔵」巻十九より。「笑点」の「大喜利」みたいなスタイルですが、答えが出たんだからそんなに難しい問題ではなかったようです。これで正解なのかどうかわからんけど。
いずれにせよ、明日おいらが直面する難問に比べれば、大したことないだろうさ。

 

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