平成28年2月25日(木)  目次へ  前回に戻る

出発はいつにする?

明日もしごとキツそうですが、そのあとは週末・・・。

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四川・成都におります。

聞道巴山里、 聞くならく巴山の里、

春船正好行。 春船まさに行くに好ろしと。

 聞くところによると長江を下った巴山(はざん)のあたりでは、

 春は船で旅をするに、たいへんよい季節である、と。

よし、それならば、

都将百年興、 すべて百年の興を将いて、

一望九江城。 一たび九江城を望まん。

 人生にずっと持ち続けている旅への思いを引っ提げて、

 荊州の九江城を眺めに行こうではないか。

と思いました。

そこで、

水檻温江口、 水檻は温江の口に、

茅堂石笋西。 茅堂は石笋の西にあり。

 小さな持ち舟を成都の温江港に浮かべてみた。

 かやぶきのわたしの庵はこの先、石笋街の西にある。

そこから

移船先主廟、 船を移すは先主の廟、

洗薬浣花渓。 薬を洗うは浣花の渓。

 舟を先主(蜀漢の劉備)を祀ったお堂の方に回す。

 持病の薬を庵の近くの浣花渓(かんかけい)の谷水できれいに洗う。

かくして準備をして、さて、旅立とうかと思ったが、

謾道春来好、 謾に道(い)う、春来たりて好ろしと。

狂風太放顛。 狂風はなはだ放顛なり。

 いい加減なコトバであった、「春がやってきていい季節になった」とは。

 狂ったような強い風はおそろしくやりたい放題であったのだ。

風は

吹花随水去、 花を吹きては水に随いて去らしめ、

翻却釣魚船。 翻却す、釣魚の船。

 花を吹き散らして、花びらを水に浮かべて流れさせたが、

 (それだけでは足らずに、わしの大事な)釣り船をひっくり返しおったのだ!

ので、今回の出発はあきらめます。

ああ、いつの日に旅立ちの時は来るのだろうか。

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唐・杜甫「絶句三首」

週末が終わればまた来週の平日が来る。旅立ちのときはなかなかやってこない。 

 

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