出発はいつにする?
明日もしごとキツそうですが、そのあとは週末・・・。
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四川・成都におります。
聞道巴山里、 聞くならく巴山の里、
春船正好行。 春船まさに行くに好ろしと。
聞くところによると長江を下った巴山(はざん)のあたりでは、
春は船で旅をするに、たいへんよい季節である、と。
よし、それならば、
都将百年興、 すべて百年の興を将いて、
一望九江城。 一たび九江城を望まん。
人生にずっと持ち続けている旅への思いを引っ提げて、
荊州の九江城を眺めに行こうではないか。
と思いました。
そこで、
水檻温江口、 水檻は温江の口に、
茅堂石笋西。 茅堂は石笋の西にあり。
小さな持ち舟を成都の温江港に浮かべてみた。
かやぶきのわたしの庵はこの先、石笋街の西にある。
そこから
移船先主廟、 船を移すは先主の廟、
洗薬浣花渓。 薬を洗うは浣花の渓。
舟を先主(蜀漢の劉備)を祀ったお堂の方に回す。
持病の薬を庵の近くの浣花渓(かんかけい)の谷水できれいに洗う。
かくして準備をして、さて、旅立とうかと思ったが、
謾道春来好、 謾に道(い)う、春来たりて好ろしと。
狂風太放顛。 狂風はなはだ放顛なり。
いい加減なコトバであった、「春がやってきていい季節になった」とは。
狂ったような強い風はおそろしくやりたい放題であったのだ。
風は
吹花随水去、 花を吹きては水に随いて去らしめ、
翻却釣魚船。 翻却す、釣魚の船。
花を吹き散らして、花びらを水に浮かべて流れさせたが、
(それだけでは足らずに、わしの大事な)釣り船をひっくり返しおったのだ!
ので、今回の出発はあきらめます。
ああ、いつの日に旅立ちの時は来るのだろうか。
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唐・杜甫「絶句三首」。
週末が終わればまた来週の平日が来る。旅立ちのときはなかなかやってこない。