平成27年12月9日(水)  目次へ  前回に戻る

山中にはたくさんのサルがいたりする。

本日はフランス料理食べました。

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ふだんは山中に隠棲しておりますのじゃが。

興亡千古繁華夢、 興亡千古、繁華の夢、

詩眼倦天涯。   詩眼は天涯に倦みぬ。

 千年もの間に、この大地には多くの王朝が興り、また亡びたが、それぞれに全盛のころがあり、太平の豊かな夢のような時代があったのだ。

 わしはこの地のはてまでもいろんな用務に駆けずり回り、わしの持つ詩人としての眼も、見るべきものを見尽して、疲れてしまった。

疲れて、山中に引っ込んだわけですじゃ。

わしの見てきた「見るべきもの」とはどんなものであったか――――

孔林喬木、 孔林の喬木、

呉宮蔓草、 呉宮の蔓草、

楚廟寒鴉。 楚廟の寒鴉。

 孔子が学問を教えたという孔林の高い木々(山東・曲阜)、

 美女・西施が仕えた呉王・夫差の宮殿跡にはびこったつる草(江蘇・蘇州)、

 屈原が神々の壁画を見たという楚の王家のおたまやの地に鳴く冬のカラス(湖北・江陵)

などなど。

これらの地を経回り、いろんな辛酸を嘗めた後、今は静かに、

数間茅舎、 数間の茅舎なれど、

蔵書万巻、 書、万巻を蔵して、

投老村家。 村家に老を投ず。

 間取り数間のかやぶきの小さな建物だが、

 万巻の書物を携えて

 郷里の村の山中に老いの身をゆだねることにしたのだ。

山中何事。 山中には何事ぞ。

松花醪酒、 松花にて酒を醪し、

春水煎茶。 春水に茶を煎(に)る。

 この山中では何をして暮らしているのかといいますと、

 松の花を浮かべて酒を醸し、

 春の水を沸かして茶を淹れておる。

という生活。

フランス料理など滅多に食いませぬのじゃ。

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元・張可久「山中書事・人月円」(山中の事を書きつける・「人も月も円い」の歌の節で)

食いつけぬものを食ったので苦しい。しかも女人三人と。山中は女人禁制ですのじゃがな、ふおっほっほっほ。明日は今年最大級のツラいしごとあるが、そんなものは無い。無いのじゃ無いのじゃ無いのじゃ、ふおっほっほっほ。

 

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