お寺のカキは美味い気がする。
平地は雨が降っていてかなりムシムシしたようですね。おいらはもう隠棲先の山中に戻ってきています。この山中はさわやかで、月の光も射しこんできておりますなあ。
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月の光を指さして、金剛蔵菩薩がおっしゃりまするには、
―――おまえたち、よく聞くがよい。
月明能令衆生身得清涼。
月明はよく衆生身をして清涼を得せしむ。
月の光は(ヒンドスタン大陸で昼間の太陽の熱さに苦しんでいた)もろもろの生き物の身に、さわやかな涼しさを与えてくれるものである。
四種風吹不能遏絶。
四種の風吹けども遏絶(あつぜつ)するあたわず。
(風には旋風や強風など四種類あるが、)四種類のどんな風が吹いたとしても、月の光がわれわれに届くのを邪魔することはできない。
そりゃそうでしょう。
―――さて、同様に、
菩薩住現前地、善根転勝、能滅衆生煩悩之火、四種悪魔所不能壊。
菩薩、現前地に住し、善根転勝してよく衆生の煩悩の火を滅するは、四種悪魔の壊すあたわざるところなり。
「現前地」というのは、菩薩が修行して得た「光が目の前に現れている」という境地のことをいいます。この光は「何物にも妨げられない智慧」が完成したことによって照射されたものなのだそうです。
究極の悟りを目指す修行者(ボダイサッタ)が、(何物にも妨げられない智慧の完成によって生まれた)光が目の前に現れている境地において、善を成す根っことなる力がすごくパワーアップしまして、もろもろの生命体の煩悩の火を消してやることができるようになるのですが、この力は(四種の風と同様に)四種の悪魔がやってきても、壊すことができないのである。
「四種悪魔」とは@煩悩魔(煩悩という悪魔)、A陰魔(肉体と心、という悪魔)、B死魔(死という悪魔)、C他化自在天子魔(天上の他化自在天におられ、いろいろ衆生の邪魔をなさる悪魔)の四種のこと、だそうです。
はやくそんな境地まで行きたいなー。
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「華厳経」十地品より。
今日はこの月光の下で、これからの身の振り方などを考えさせていただきます。じめじめした平地ではないので、すっきりと考えられると思います。みなさんはまた明日からタイヘンな平日ですなあ。