あたいはクロだよ。
山中には娯楽がないので、オモシロそうな話はあまりオモシロくなくてもオモシロいように感じます。↓こんな話とか。
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・・・王国賓というひとがいてなかなかの羽振りであったが、その息子の出来が悪く、国賓が亡くなって数年もすると、王家の屋敷は売りに出された。
楊というひとがその家を買って家移りしてきたのだが、
遂多怪異往往。
遂に怪異往々として多し。
その後、不思議なことが次々と起こった。
たとえば
家鶏無故不見。忽自熱甑中、飛出。
家鶏ゆえなくして見えず。たちまち熱甑中より飛びて出づ。
家で飼っているニワトリの姿がわけもなく見えなくなった。あきらめていると、火にかけて熱くなっているコシキ(米を蒸す道具)の中でごそごそする音がするので、蓋をあけてやると
コケッケコー!
と鳴きながらニワトリが飛び出してきた。
また、
毎日将暝、則有猫四五十、排列花砌間。五色咸備。
毎日まさに暝(く)れなんとするに、すなわち猫四五十有りて、花砌の間に排列す。五色みな備われり。
毎日、ちょうど日が暮れることになると、花壇のところに四十〜五十匹のネコが現われて列をなして座っているのだが、そこには、赤・青・白・黄・黒のいわゆる五色の色のネコがすべてそろっているのである。
「これはゆゆしいことであるぞ」
楊以為不祥。乃更鬻之他姓、十余歳間、屋更幾主。
楊、以て不祥と為す。すなわちこれを他姓に更鬻し、十余歳間、屋、幾主かを更(か)う。
楊氏は不吉な家であると考え、家をほかのひとに売りとばした。その後も不思議なことが相次いだので、十数年の間に持ち主は何人も変わった。
今、楚中の樊亢宗が出張所として仮住まいしているが、彼の所有に帰してからは、ようやく怪しいことの話は聞かない。
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清・鄭仲虁「冷賞」巻五より。
本日は六本木にてステーキ食った。オーストラリアのビーフステーキであった。かなり満足していますので、ネコまで食べる気にはなりません。しかしチャイナ発世界同時株安で経済情勢悪くなってきたら、食うかも。