マジメになんてやれない!グレてやるでガオす。
まだ水曜日。疲れてきました。世界はお盆前と何にも変わっていなかったんだなあ。サボりたい。シゴトしたくない。
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宋の元城先生・劉器之が科挙に合格しまして、ほかの二人の同僚とともに参知政事(閣僚)の張観さまに挨拶に行った。
三人で自己紹介して、
「今後ともよろしくご指導をたまわりますように」
と拝礼しましたところ、張参政は穏やかな目で三人を眺めながらおっしゃるに、
某自守官以来、常持四字。
某、守官より以来、常に四字を持せり。
「わしは、役人になってからずっと、「四字の教え」を護ってきているのじゃ」
と。
「四字の教えとは?」
「さよう、
勤謹和緩。
勤・謹・和・緩なり。
まじめにやること、慎重にやること、和やかにやること、そして緩やかにやること、の四つである」
一人が質問した。
勤謹和既聞命矣。緩之一字、某所未聞。
勤・謹・和はすでに命を聞けり。緩の一字は某のいまだ聞かざるところなり。
「まじめにやること、慎重にやること、なごやかにやること、は、いろんな人から教わりましたからわかります。しかし、ゆるやかにやること、についてはどなたからもそんなことは聞いたことがございません」
すると、
張正色作気。
張、色を正し、気を作す。
張参政は突然顔色を変え、興奮したようになった。
そして曰く、
何嘗教賢緩不及事、且道世間甚事、不因忙後錯了。
何ぞかつて賢に、緩にして事に及ばざれ、と教えんや。しばらく道(い)わん、世間なにごとか、忙に因らずして後に錯了せんや。
「誰もおまえさんに「サボれ、シゴトをするな」と教えているのではないのだ! しようがないからもう少し言ってやろう。よいか、この世の中の間違いごとは、すべてあせりのせいで起こっているのだぞ!」
と。
以上、宋の朱晦庵先生の編集なされた「小学」に書いてあります(もとは劉元城先生の記録に基づくらしい)。
さて、わたくし(清の張伯行)思いますに、
緩以処事、則従容詳審而無急迫之病。
緩以て事を処すれば、従容として詳審、しかして急迫の病無きなり。
「緩やか」に事案を処理すれば、落ち着いて細やかに審査できる。そして、急ぎ迫られてあせるという問題に陥らなくてすむ。
そして
緩之一字、最宜体認也。
「緩」の一字は、もっとも体認によろしきなり。
「緩やか」の一事は、自分のからだで覚えていくのが一番よい。
のではないでしょうか。
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清・張伯行「小学集解」巻六より。
ということで、みなさん、勤・謹・和・緩の「四字教」、ようく守ってくださいね。
みなさんがマジメに四字を守ってシゴトしてくれるので、わたしの方は「サボれ、シゴトをするな」という教えだと理解してそっと生きていきたいと思います。・・・しかしそれでも明日一日は耐えきれないカモだが・・・。
おいらもグレるでにゃーす。