植物を愛する無口なタイプなのであった。
口下手なのでツラいです。
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長くて大きくて、べろーんと顔を覆ってしまえるぐらいの舌を持つ(「長広舌相」)ことは、ブッダの三十二相の一つ、とされるかっこいい特徴なのですが、ブッダならざる夔州の道士・王法玄は
舌大而長、呼文字不甚典切、常以為恨。
舌大にして長じ、文字を呼ぶにはなはだ典切ならず、常に以て恨みと為す。
舌が大きくて長く、文字を読み上げるときにあまりうまく発音できなかったので、いつもこのことで悩んでいた。
そこで、発憤して、「道徳経」(「老子」という本の道教徒の間での呼び名)を読んで、一心に祈った。
すると、
夢老君与剪其舌。
夢に老君その舌を剪(き)を与(たす)く。
夢の中で、老子さまが現れて、いっしょに舌を切ってくださった。
覚而言詞軽利、精誦五千言、頗有徴験。
覚めて、言詞軽利に、五千言を精誦し、すこぶる徴験有り。
目が覚めると、発言が軽快になり、「老子」の書(約5千字なので「五千言」といわれる)をきちんと読み上げることができるようになった。たいへん功徳のあることである。
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五代・杜光庭「録異記」巻二より。
このひとのようにすらすらとしゃべれるようになれたら・・・とちょっと思ったが、だいたいすぐに機転の利いた回答とか思いつくわけでもないので、わたくしは舌の問題ではなく頭の問題である。