平成27年6月22日(月)  目次へ  前回に戻る

今日あたりは野山に精霊が出るかも知れませんので早く帰らないといけません。

日が長いのでいつまでもシゴトしていたい人もいる、かも知れませんが、今日はまだ明るいうちに、定時ちょうどに引き上げてきた。(なにしろ昨日からはシゴトに行っているのは木を刻んだ人形ですから、長時間はムリなんです)

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ちなみに「むかしの礼儀では」、ですが、

凡侍座於君子、君子欠伸、問日之早晏、以食具告。

およそ君子に侍座するに、君子欠伸し、日の早晏を問わば、食の具われるを以て告ぐ。

「欠伸」はゲンダイではこの二字で「あくび」と訓じますが、本来、「欠」は「口を大きく開けること」(「歌」「飲」などの文字を参照願いたい)、「伸」は「体を延ばしてゆるやかにすること」で、「欠・伸」二字で「あくび」と「背伸び」の二つのことを指します。

「早晏」の「晏」は「晩」のこと。「日の早晏を問う」とは、「今は朝早いのか、もう日暮れなのか」と質問する、ということです。要するに「今何どきか?」と訊いているのですね。

えらいひとのお側に侍っているときに、えらいひとがあくびしたり背伸びしたりしたとき、または、「いま何時であろうか」と訊ねてきたりした場合は、「メシができております」と申し上げねばならない。

とされておりました。君子(えらいひと)が退屈してきたらメシを食わせればいいのだそうです。

改居、則請退可也。

居を改むれば、すなわち退を請うて可なり。

(えらいひとが)座席の場所を変えたら(退屈している証であり)、「退出した方がよろしいでしょうか」と訊ねてもよろしい。

のだそうです。また、

夜侍座、問夜、膳葷、請退可也。

夜侍座するに、夜を問い、葷(くん)を膳(く)らえば、すなわち退を請うて可なり。

「夜を問う」というのは、現在が夜のどの部分に当たるのか、宵であるか中夜であるか深夜であるか、を質問すること。「葷」はネギやニラが例示されることが多いですが、刺激臭のある植物。これを食えば眠気覚ましになる。

夜、(えらいひとの)お側に侍っているときに、「いま何時ごろであろうか」と言われたり、「ネギかニラを持って来てくれ」と言ってこれを食べ始めたら、「退出した方がよろしいでしょうか」と訊ねてもよろしい。

のだそうです。残業の好きな上司がいたら、ネギでも食わせて帰ってきてしまえばいいのです。

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「儀礼」巻三「士相見礼」(おとな同士が会うときの礼)より。昼も夜も退屈してきたら何か食わせるのがいいみたいですね。

 

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