平成27年1月22日(木)  目次へ  前回に戻る

当たるといいですが

今日は某所で異業種交流。食べ物うまかった。いつまでもこんな日々が続くといいですね。―――と思ったが・・・。

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元・順帝の至正年閨i1341〜1368)、帝は極秘に、宮中へイーラーンの占術士を呼んだ。

「なんの御用でございますか?」

帝、問うに

国修短。

国の修短いかん。

「我が元帝国はいつまで続くか」

占術士、香を焚き水盤を見つめ、なにやら古い呪文を唱えていたが、やがておもむろに云うて曰く、

「御安心めされよ。

国家千秋萬歳、除是日月併行、数始尽耳。

国家千秋万歳なり、かの日・月併行して数始めて尽くるを除くのみ。

帝国に亡ぶ兆しはございませぬ。千年・万年も続きましょう。太陽と月が並んでやってくるときにならねば命運は尽きませぬ」

と。

安心しました。

ところが―――

数年後、赤眉賊の残党が朱元璋のもとで「明」の国号を唱えたとき、順帝は

「日と月が並びやってくるときがきたではないか!」

と大いに驚愕、ただちに大都(ペキン)からモンゴル高原に退却してしまった(至正二十八年(1368))。

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明・江盈科「聞記」より。

永遠に続くシアワセな日々、というのは有り得ないものなのでございましょう。そろそろわたしも(もちろんみなさんも)

 木の蔭に結びし汝の家に帰れ

 貧乏に帰れ

 貧しき衣もて

 なほ四時を神とともにあり

 いそしみはげめよ (中川一政「聖フランシスの家族」)

という忠告に耳を傾けるべきかも。

 

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