あまみのそら
うっしっし。おいらは温暖斎。肝冷斎が精神的に立ち直れなくなった隙に登場したぜ。
おいらは主として南西諸島や伊豆諸島など黒潮の流れる温暖な地方に棲息しておりまちて、今週は奄美大島にいまっちゅ。黒潮に乗せて、桃郷など寒い地方にいるみなちゃんにメッセージソングを贈りまーちゅ。(「長江」を「黒潮」と読み替えていただきまちゅとぴったりな感じ)。
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我住長江頭、 我は住む長江の頭、
君住長江尾。 君は住む長江の尾。
あたしは長江の上流に住んでいる、
あんたは長江の下流に住んでいる。
日日思君不見君、 日々に君を思えども君を見ず、
共飲長江水。 共に長江の水を飲む。
毎日あんたのことを思うけどあんたに会えやしないのさ、
毎日おんなじ長江の水を飲んでるのにね。
「黒潮」は飲むと塩辛いから飲みませんけどね。
此水幾時休、 この水は幾時にか休(や)まん、
此恨何時已。 この恨み、いずれの時にか已(や)まん。
この流れはいつのときにか途絶えることがあるだろうか、
この思いはいつのときにか途絶えることがあるだろうか。
唯願君心似我心、 ただ願わくば君が心も我が心に似て、
定不負相思意。 定めて相思の意に負(そむ)かざることを。
あたしの願いはただひとつ、あんたの心もあたしと同じで、
お互いを思いあう約束を違えぬことさ。
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宋・姑溪居士・李之儀「卜算子」(「「占い師」の歌の節で」)。李之儀は蘇東坡のグループで、徽宗皇帝のころに河東常平官となり経済官僚として活躍したが、最後は太平州に遠流されて現地で卒した。詞は当代の一流の詞人であると評されるが、特にこの「卜算子」詞は
直是古楽府俊語矣。
ただにこれ古楽府の俊語なり。
そのままで漢代以降の古代歌謡の名作かと思われるような作品である。
と人気が高いのでありまっちゅ。