これはハニワちゃんたち。石像もまじっているかも・・・。
昨日はよゐこのみなちゃんの応援が足らなくて、サボってしまいましたー。
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みなちゃんとの約束どおり?金曜日の続きです。
すごい術を持つ趙侯さまですが、いかんせん背が低くて見た目は醜い。
ある宴席で
人有咲其形容。
人、その形容を咲(わら)う有り。
あるひとが趙侯の姿形を嘲笑ったことがあった。
「ずいぶんなちびすけだな」
趙侯は表面笑顔のままで、
「このちびすけ、どうぞ以後お見知りおきくだされ」
と言いながら、わざわざそのひとの杯に酒を注いでやった。その手が震えていたのは、彼が怒っていたからである。
しかしそのひと意に介さず、
「ふん、あんまりちびすけだから顔を覚えても目に入らぬかも知れぬぞ」
と言いながら、
以酒杯向口。
酒杯を以て口に向かえり。
酒を注いださかずきを口のところに持って行った。
そこで趙侯、ぱちんと指を鳴らすと―――突然、そのひとの顔色が変わった。
そのひとはまるで誰かに腕を摑まれたかのように、さかずきを口元から離し、
即掩鼻不脱。
即ち鼻を掩(おお)いて脱せず。
すぐにぺたんと鼻にかぶせてしまった。そして、自分の手でそうしたまま、じたばたしたが、どうしてもさかずきは取れないのである。
「ふがふが、申し訳ない」
稽顙謝過。
稽顙して過ちを謝す。
頭を床につけて自らのあやまちを謝罪した。
まわりのひとがとりなしたので、趙侯、またぱちんと指を鳴らす。
と、さかずきは鼻から外れた・・・のだが、
「うわわ、これは重い」
今度は
著地不挙。
地に著きて挙がらず。
床にひっついたまま持ちあがらなくなってしまった。
そのひとの手からは離れないのである。
それからみんなで何度もなだめ、謝って、半刻ばかりもしてからようやく自由にしてもらったのであった。
―――翌朝。
趙侯は裸足でいた。
昨日さんざんに懲らしめられた人がそれを見かけ、
「どうしたのですか」
と訊ねると、
湏履。
履を湏(かい)す。
「くつを洗っておるのだ」
とのこと。
「このままではくつをとりに行くのにお困りでは?」
と問うたところ、
「わしのことならご心配無用」
とにこやかに笑い
仰頭微吟。
頭を仰いで微吟す。
頭上を見上げながら、何かうたうように唱えていた。
すると、
雙履自至。
雙履、自ずから至れり。
一そろいのくつが、しゃなり、しゃなり、と自分で歩いてきたのであった。
そのくつを履くと
「では出かけよう」
と、その場にいたひとびとを誘って郊外にある山に登った。
山上有石人騎石馬。
山上に石人の石馬に騎る有り。
山の上には、石で造られたニンゲンが石の馬に乗っている石像があった。
「ここでオモシロいものをお目にかけましょう」
趙侯は、なにやら呪文を唱えつつ、
「えいや!」
と
以印指之。
印を以てこれを指す。
印を結んで、石像の方を指さした。
すると、
人馬一時落首。
人馬、一時に落首す。
石のニンゲンも石の馬も、同時に、ぽろりと首が落ちたのだ。
趙侯、同行者たちを振り向き、
「昨日、こうされなかったのを感謝してもらわねばな。うっふっふっふ・・・」
と、凄みのある顔で笑ったのであった。
ところでこの山は呉の永康の郊外にあって、
今猶在山下。
今もなお山下に在り。
今でも石人と石馬の胴体は山上に、それぞれの首は山の麓に転がり落ちているのが見られる。
のだそうです。
「今でも」と言われても南朝の宋のころのことですから、今となっては確認もしようもあるまい。
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南朝宋・劉敬叔「異苑」巻九より。
もっと残虐なやつを期待していたよゐこのみなさん、ご期待に沿えなくてゴメンなちゃいねー。