更新自粛中の肝冷斎に代わって、南方の温暖な地方を本拠とする温暖斎が更新します。ちなみに肝冷斎一族の嫡流は、本来は温暖な地方を本拠とするわれら温暖斎族であったのだ。桃郷肝冷斎族めが、調子に乗りおって・・・。
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と言いつつ、明日は温暖斎にもはじめての経験なのですが、
嶋の中には高き山あり、とこしなえに火燃え、硫黄というもの充ち満てり。・・・雷常に鳴り上がり鳴り下り、麓には雨しげし。
この島には高い山があって、そこでは永久的に火が噴き、硫黄の気が充満しているのである。そして・・・その山では、カミナリがつねに、山頂で鳴ったかと思えば山麓でも鳴り、麓では降雨量が多いのである。
という怖ろしげな嶋に行ってまいります。
この島にも住むニンゲンはあるという。
ただし、
衣裳なければ、この土の人にも似ず、言う言葉も聞き知らず。身には頻りに毛生いつつ、色黒うして牛のごとし。
衣服というものが無いので、本土側のこの地方のニンゲンとも似ておらず、はなす言葉も理解できない。体には体毛がたくさん生え、膚の色が黒くて、黒牛のようなのである。
という。
食する物もなければ、常にただ殺生をのみ先とす。しずが山田をかえさねば、米穀の類もなく、園の桑を取らざれば、絹帛の類もなかりけり。
そのままでは食べるモノが無いので、いつもドウブツを殺してドウブツ性蛋白質を摂取している。水田耕作をしないのでコメその他の穀物は無く、養蚕を知らないから絹も布もないのである。
勇敢にもこの島に単身乗り込む温暖斎に明日はあるのか?
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ちなみに引用は「平家物語」等より。