平成26年11月18日(火)  目次へ  前回に戻る

「変なイヌもいるもんですにゃあ↓」

変なことが起こりませんように。

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後漢の末から遼東に蟠踞した豪族・公孫氏の三代目公孫淵のとき、その家に次々と奇怪な事件が起こった。

犬冠幘絳衣上屋。

犬、冠幘し絳衣して屋に上る。

犬がカンムリをかぶり、赤い服を着て屋根の上に上っていた。

まあこれは、不思議ですがそういうこともあるかも、という程度のことです。

炊有小児蒸死甑中。

炊くに、小児の甑中に蒸死する有り。

炊事中に子どもが米を蒸すコシキの中に入ってしまい、蒸し殺されてしまった。

これは人為的ミスではないかと思われます。

そして、

襄平北市生肉長囲各数尺。有頭目口喙、無手足而動揺。

襄平の北市に肉の長囲おのおの数尺なるものを生ず。頭目口喙有り、手足無くして動揺す。

居城の襄平の北の市場に、直径・高さいずれも数尺(1メートルぐらい)の肉塊が出現した。これには頭と思われる部分があり、そこには目・口・くちびるらしきものが認められたが、手や脚は無く、ぶよぶよと震えながら移動するのであった。

これは科学的には粘菌の一種であろうと思いますが、おそろしいことである。

占い師、これを見て曰く、

「これは一体何であろうか。

有形不成、有体不声、其国滅亡。

形有りて成らず、体有りて声せず、それ、国は滅亡せんか。

外形はそなわっているのだが内容的に十分ではない。躯体はあるのだがコトバを発して意志を表明することが無い。こんな国は滅亡するしかないではないか!」

その予言どおり、公孫氏の政権はこの年、魏に滅ぼされたのであった。

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唐・陸勲集「集異志」巻一より。

本日、高倉健さんが先週亡くなっていたことが判明。また消費増税の1年半延期とか衆議院の21日解散とか公表された。次々と事件が起こっているようである。しかし犬が帽子かぶったりぶよぶよが現れたりはしていないので、国は滅びるまいと思いまーちゅ。

 

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