このじじいめが、三日も続けて出勤。些細な自己嫌悪からはじまって季節性のウツ始まっているし・・・もう限界越えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
北方の辺境の地に石湖という湖があるのですじゃ。
方千里、岸深五丈余、恒氷。
方千里にして岸の深さ五丈余、恒に氷れり。
広さは400キロ四方、岸辺からすぐに深くなっていて、水深は10メートル以上ある。そして、寒い地方なのでたいていの時期、凍結している。
ただ、
夏至左右五六十日解耳。
夏至左右の五六十日解くるのみ。
夏至の前後の五十〜六十日(6月上旬の今ごろから8月頭ぐらいのイメージでしょうか)ぐらいの間だけ、氷が融けるのであった。
そしてこの湖には
横公魚
という魚が棲息しているのでございます。
長七八尺、形如鯉而赤。
長さ七八尺、形は鯉の如くして赤し。
体長二メートル、形状はコイに似ていて、体色は赤い。
この魚、みなさん信じないと思いますが、
昼在水中、夜化為人。
昼は水中に在り、夜は化して人と為る。
昼間は水中に棲んでいるが、夜になると変化してニンゲンの姿になり、地上に現れる。
のです。ただし、夜にんげんの姿になっているときでも、まっすぐ歩くことができず、カニのように横ばいに歩くのが特徴的である。
夜これを見かけて、
「うひゃあ、半魚人だあ」
とやっつけようとしても、
刺之不入、煮之不死。
これを刺すも入らず、これを煮るも死なず。
刀剣で刺しても皮膚が跳ね返すし、熱湯で煮ても死なない。
ので困ります。
しかし、
以烏梅二枚煮之則死。
烏梅二枚を以てこれを煮ればすなわち死す。
烏梅なるものを二つ、お湯に入れてこれを煮たら、やっと死ぬ。
「烏梅」(うばい)は「本草綱目」によれば、青梅を煙でいぶして保存用にしたもの。「ふすべうめ」という和称があるそうです。この「烏梅」が触媒効果を持つわけですね。
なお、もしその煮込んだ肉を手に入れられれば、
食之可止邪病。
これを食らえば邪病を止どむべし。
それを食うと、悪い病気を癒すことができる。
のだそうですじゃ。
・・・・・・・・・・・・・・・
晋・王浮「神異記」(または「神異録」)より。ただしこの書は既に佚し、「太平廣記」「太平御覧」等に引用されたものが残る。この条は「太平廣記」巻464に所収。
人間の形のモノを煮込んで食うのは抵抗あります(チュウゴク人ではない証拠?)が、しかしこれを食べることが出来たら、元気になって一週五日ぐらい出勤できるようになるかも。入手できないので明日からの出勤ムリ。だれかに代わってもらわないと・・・。