しごとつらい。だがまだ火曜日。非現実的な世界に行きたい・・・。
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山の精霊というものがいるんです。
山精如人一足、長三四尺。
山精は人の如くして一足、長三四尺なり。
山の精霊はその姿は人間に似ているが、足は一本しかなく、背の丈は一メートル前後である。
この精霊、
食山蟹、夜出昼蔵。人、昼日不見夜聞其声。
山蟹を食らい、夜出でて昼蔵ず。ひと、昼日には見ずして夜その声を聞く。
山中に棲息するカニを常食としている。その行動は夜行性で昼間はすがたを見せない。人間は昼間その姿を見ることはないが、夜その声だけが聞こえるのである。
―――それなのになぜ人間に似ているとか背の丈一メートルとかわかるのだ?
などと細かいことを穿鑿してはいけません。フィーリングでビビッと直観するのです。
なお、
千歳蟾蜍食之。
千歳の蟾蜍(せんよ)、これを食らう。
千年生きたヒキガエルが、この精霊を常食にする。
そうです。
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以上から、
ヒキガエル > 山の精霊 > 山中のカニ
という食物連鎖が確認されました。
精霊でも食われるのです。非現実的な世界でも、世の中厳しいのだ。われら小さき者は隅っこで捕食者に見つからないように生きていきたいものでございますね。