うしゃしゃ。追い込まれております。肝冷童子もすでに逃走一歩手前。
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しかし季節は春になってまいりました。ようやく桜も咲いてまいりました。NPBリーグ戦も明日開幕。昨年の春から一年経ったのだ。
去年のいまごろは、
把酒祝東風、且共従容。
酒を把りて東風を祝い、しばらくともに従容す。
酒盃を手にして東の風をことほぎながら、しばらくの間、あなたと二人、別れられずにいたのであった。
「従容」はここでは「留連」すなわち、別れられず留まっていることをいう。
垂楊紫陌洛城東、総是当時携手処、游徧芳叢。
垂楊の紫陌、洛城の東、すべてこれ当時手を携えしところ、游徧せし芳叢なり。
枝垂れ柳が植えられ、紫色の花が咲いていた堤の上。あれは洛陽城の東のはずれ。どこもかしこも、あなたとあのころ手をとりあってさまよい歩いた花咲く草むら。
しかるに、一年経ちました。
聚散苦悤悤、此恨無窮。
聚散はなはだ悤悤(そうそう)、この恨み窮まり無し。
出会いと別れはたいへん速やかで、(あなたと別れた今、)胸の痛みはきわまりない。
今年花勝去年紅、可惜明年花更好、知与誰同。
今年の花は去年に勝りて紅にして、惜しむべし明年花さらに好(よ)からんも、誰と同じくするかを知らん。
今年の花は、去年よりも赤く色づいている。来年の花はさらにきれいに咲くかも知れない。けれど、まったく惜しいことだ。誰といっしょに見ることができるか、わからないのだから。
(T_T)
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これは宋・欧陽脩「浪淘沙」(「「浪にゆれる沙のうた」の節で歌う詞」)。おいら肝冷童子の自叙伝ではありません。
ちなみにおいらは来年の桜、あるいはNPB開幕のころは何をしていることであろうか。おそらくこちら側にはもういないカモ。