昨日は慣例斎がどこかに逃げていきましたので誰も更新するひとがいませんでしたね。今日は休みになりましたので、おいら肝冷斎が樹木からニンゲンに戻って更新いたします。え?
「そんなに簡単に樹木になったりニンゲンになったりできるのか」
って?
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徂徠・石守道は十一世紀の北宋の名儒でありますが、後にその墓の所在地は金国の版図の中に入った。
徂徠先生は金国の士民からも尊敬されておりましたので、その墓は大切にされていたのですが、十三世紀に入ったころ、大いに雨の降ったことがあって、その墓が崩れてしまった。
子孫が集まって棺を発注し、
具棺葬骸骨。
棺を具えて骸骨を葬る。
棺ができあがったところで、お骨を集めて葬りなおした。
その際に立ち会った子孫の一人に聴いたところ、
骸骨与常人無異。
骸骨、常人と異なること無し。
お骨は別に普通の人と変わっているところはなかった。
ただ一つだけ違ったところがあったという。
独其心如合両手、已化石矣。
ひとりその心のみ、両手を合するが如く、すでに石と化したり。
心臓だけが不思議なことになっていた。すなわち、両方の手を組み合わせたような形をしていて、すでに石化していたのである。
強い意志と高い学識を具えた人の心臓である。常人とは違ったところがあるものなのであろう。あるいは石氏のゆえんか。
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金・元好問「続夷堅志」巻一より。
――心臓に骨がある?
――そして石になっている?
――たいへんカルシウムの多いひとだったのかな?
などと賢しらな疑問など持たず、記録された事実を踏まえて考察すれば、地中において
ニンゲン←→石
の変化が起こった、ということです。だとすれば、
ニンゲン←→樹木
の変化が起こっても別段不思議ではあるまい。
ちなみに今日は宮崎にいまーちゅ。樹木になったときは東京でしたが、こちらの樹木から出てきたので。今日は妙齢、というより自分のムスメのような女性とステーキ食う。帰りにお菓子ももらってきたよ。