平成25年10月10日(木)  目次へ  前回に戻る

 

今年も10月10日まで来ましたなあ。せっかく「双十」の日なので、一粒で二度おいしい言葉でも味わってみましょう。

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瓦以火成、不可以得火。竹以水生、不可以得水。

瓦は火を以て成すも、以て火を得るべからず。竹は水を以て生ずるも、以て水を得べからず。

「淮南子」巻十七(説林訓)より。

こんなに簡単なのに、解釈に二説あります。その差は「得る」の主体が1)「わたし」なのか2)「瓦・竹」なのか、という点にある。

1)  瓦は火によって作られる。しかし、瓦から火を作ることはできない。竹は水によって生長する。しかし、竹から水を取り出すことはできない。

2)  瓦は火によって作られる。しかし、瓦自身が火を得ることはできない(さらに火を以て炙れば割れてしまうだけだ)。竹は水によって生長する。しかし、竹自身が水を得ることはできない(さらに水に漬けておけば腐ってしまうだけだ)。

「1」の解釈でよさそうな気がしますが、「淮南子」解釈の基礎になる漢の高誘の注明確に「2」と解しているので困ってしまいます。

人間社会での出来事に対する何らかの比喩としてはどちらでも使えるということかな。

○高い道徳は学問を積まなければ身に着かないが、ずいぶん学問をした人が非道徳的な振舞いをした! なら、1)をあてはめる。

○阿諛追従を以て高い地位に就いたひとが、阿諛追従者たちに取り囲まれて失敗し、没落していった! なら2)をあてはめる。

・・・ということで、一文を学んで二事を知ることができました。うれちいなー。

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今日は沖縄時代の知人が上京してきたので中華料理。恐怖・緊迫(しごとで)の明日を忘れたい、とばかりに食いまくったので苦しい。

ちなみに池邊彌「和名類聚抄郷名考証 増訂版」(昭和45.3吉川弘文館)を読了す。すさまじくカシコくなった気分。海人族の分布などこのてのひらの中に見るようにわかった(ような気がした)。

 

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