平成25年9月11日(水)  目次へ  前回に戻る

 

秋が来た

空を研ぎ雲を光らせて

侵み入るやうにながれてきた

(中略)

きみはきかないか

万物が声をひそめて祈つてゐるのを

どこかに非常にいヽ国があるのを感じてゐるのだ!  (高橋元吉「秋」)

 

という季節になってきましたが、わたくしは頭も痛い。足も痛い。検査にいく勇気もやる気もない。しごとデキない。秋の服無い...etc。.・・・おのれの卑小さに嫌気さしてくる。

・・・・・・・・・・・・・・・・

方向性として、大きなものに追随するしかない。そこで、「鯨魚」(げいぎょ)という水棲ドウブツについて調べてみた。

字面を見てただの「クジラ」だと思うと大違いで、なんと

大者長千里、小者数千丈。

大なるものは長さ千里、小なるものは数千丈なり。

大きいものは体長1,000里、小さいものでも2〜3,000丈もあるのである。

一チャイナ里=400m、一丈=1.8mで計算して、400キロメートルから5キロメートルぐらいの大きさ、ということになるのである。

こんなでかいクジラがいたらおかしいので、背理法からいってクジラではないであろう。

しかも

一生数万子。

一たびに数万の子を生ず。

一回で数万匹の子どもを産むのである。

クジラがこんなに子を産むはずもない。

五月に大陸の近くまでやってきて子どもを産み、七月〜八月になるとその子を連れて大海に帰って行くそうである。

そのときには

鼓浪成雷、噴沫成雨、水族畏、悉逃匿、魚無敢当者。

浪を鼓せば雷と成り、沫を噴けば雨と成り、水族畏れ、ことごとく逃匿して魚のあえて当たるもの無し。

海面を打つその轟きが雷となり、吹いたしぶきが雨となるのである。水中に棲むものたちはいずれも鯨魚を恐怖して逃げ隠れ、どんな魚も対抗しようなどとしない。

なお、鯨魚のメスが「鯢」で

大亦長千里、眼為明月珠。

大また長さ千里、眼は明月の珠と為す。

大きなものはやはり体長1,000里(400Kメートル)にもなり、その目のたまは宝玉「明月の珠」と呼ばれて珍重されるのである。

・・・・・・・・・・・・・・・

五代・馬縞「中華古今注」巻下より。何食ったらこんなにでかくなるんでしょうね。数万匹も生まれてどうなっていくのかな?

なお、地上でも「鯨魚」のごときバレンティンさまの起こす怒涛に、すべての小さきひとたちの営みが呑み込まれていきつつある。

 

表紙へ  次へ