問題だらけ。
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唐の建国間もない永徽年間(650〜656)に崔爽というひとあり。
毎食生魚、三斗乃足。
つねに生魚を食らい、三斗にしてすなわち足る。
毎食、生の魚を食べ、十数キログラム食べてやっと満足するのであった。
あるとき、腹が減ったといって、鱠(生魚の切り身)が完成しないうちに切った分だけ持ってこさせて食べ始めた。
しばらくすると突如腹痛を訴え、一刻ばかり苦しんだ末、
遂吐一物、状如蝦蟇。
遂に一物の、状蝦蟇の如きを吐く。
とうとうガマガエルのような変なモノを吐き出した。
これ以後、二度と生魚を食べなくなったという。
その一族に崔融というひとあり。
毎食大いに食っていたが、ある日、腹が痛いといいだした。
腹中蟲蝕極痛不能忍。
腹中に蟲蝕して痛を極め忍ぶあたわず。
ハラの中でムシがあちこち食い破るらしく、痛くてたまらなかった。
このため食べることもできなくなって百日ほどした後、
有一物如守宮、従下部出。
一物の守宮の如き有りて、下部より出づ。
ヤモリのような変なモノが肛門から出た。
「ああ、やっと出た」
とほっとしたのか、崔融は
須臾而卒。
須臾にして卒す。
まもなく死んでしまった。
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唐・張鷟「朝野僉載」より。
腹の中に変なモノがいるのも問題ですが、問題だらけなのも困ります。どうすればいいのであろうか。